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在宅勤務で目の疲れに悩む現代人...ブルーライトだけじゃないリスク要因

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2021年5月20日(木)16時24分
マデレン・デュシャーム
モニターを見つめる人(イメージ)

新たな必需品? コロナ禍のリモートワークでパソコンを見つめる時間は増えがちだが ALINA ROSANOVA/ISTOCK

<在宅勤務拡大でPC用メガネに注目が集まるが、パソコンの光から目を守る方法はほかにもある>

そのメガネじゃ駄目──。最近インスタグラムにログインしたとき表示された広告は、そう告げているようだった。

私は視力がひどく悪いため、医者の処方箋に基づき調整されたメガネがなければ、15センチ以上離れたものはまともに見えない。

でも、その広告(やたらとしょっちゅう表示される)は、目の前のものを見えるようにするだけでは駄目だと言う。パソコンやスマートフォンの「ブルーライト」からも目を守ってくれるメガネを着用するべきだというのだ。

インスタグラムだけではない。NBCテレビの朝の情報番組『トゥデー』の公式ホームページには、パソコン用メガネを推奨する記事が、この半年間で少なくとも8件も掲載された。CNNは「リモートワークの新たな必需品」だとまで言う。

画面を見つめる時間はますます長く

かねてからソーシャルメディアやビデオゲーム、そしてネットフリックスなどの動画ストリーミング配信の拡大で、大人も子供もスマホやタブレット型端末を見つめる時間は長くなる一方だった。

そこに新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)がやって来て、仕事の会議も、学校の授業も、プライベートな交流や娯楽もオンラインに移行し、私たちがパソコンやスマホを眺める時間はますます長くなっていった。

だから、こうしたデバイスが発する青い光を特別なメガネでブロックして、目の疲れを緩和し、視力低下や頭痛を防ぎ、睡眠の質を改善するべきだ、というわけだ。

確かに私自身、仕事で深夜までパソコンとにらめっこをしなければならない日が続いたときは、知らず知らずのうちに疲れた目を何度もこすっていることがある。

無理もない、と専門家は言う。紙に印刷された文字と違って、「コンピューターやスマホ画面に表示される文字は、輪郭がはっきりしていないことが多い」と、アメリカ検眼協会(AOA)のウィリアム・レイノルズ会長は指摘する。「画面のグレア(光沢)や反射も、視聴を難しくする可能性がある」

ここで注意してほしいのは、レイノルズは、特段ブルーライトが目の疲れの原因だとは言っていないことだ。むしろパソコンやスマホを長時間見続けているとよく起こる症状は、ドライアイだ。ただ、これは画面の明るさと関係しているとはいえ、やはりブルーライトという特別な種類の光が原因ではないようだ。

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