中南米で米国ワクチン接種ツアーが人気 航空運賃も急騰
ラテンアメリカ諸国におけるワクチン接種計画への不信感も1つの要因だ、とサンチェス氏は指摘する。
当局により大量の偽ワクチンが押収されたとの報道や、2回目の接種の時期が来たときにワクチンが不足しているといった点も、ラテンアメリカ諸国の人々が挙げる不信感の理由だ。
航空会社も需要急増
ワクチン接種ツアーは米国向け航空旅客が急増する契機となった。ロンドンに拠点を置く航空コンサルタント会社MIDASアビエーションのレネ・アーマス・マエズ民間航空担当副社長は、航空各社が増便を進めているものの、出発日時の迫った便の料金は1月に比べ2倍、あるいは3倍にも上昇していると述べた。
ラテンアメリカ地域最大の航空会社であるLATAM(ラタム)航空グループは6日、新型コロナウイルスに対するワクチン接種のため米国に向かおうとするラテンアメリカ諸国の人々による需要が増大しているとした。
メキシコ航空大手アエロメヒコによると、メキシコ・米国間の航空旅客数は、3月から4月にかけて35%増加した。
またアメリカン航空は、ここ数カ月、ラテンアメリカ各地からの需要が急増しており、特にコロンビア、エクアドル、メキシコ方面を増便していると明らかにした。
「これらの市場の多くにおける需要増大に対し、運航頻度の増加、新ルートの追加、ワイドボディ機の利用などで対応し、結果として輸送能力が増大している」と説明した。
ジュリアナ・コラメオさん(29)にとって、ワクチン接種を受けるチャンスが得られたことは救いになった。メキシコ市に住むコラメオさんとボーイフレンドは、2人とも2020年に新型コロナに感染した。
2人は4月にニューヨーク市を訪れ、薬局でワクチン接種を受けた。
「ワクチン接種を受けて、泣きたい気分だった。ホッとして、希望が生まれた」とコラメオさんは言う。「米国で接種を受けられてとても嬉しい。もっと多くの人が(こういう形で)接種できればいいのに」
(Anthony Esposito記者、Cassandra Garrison記者、Marco Aquino記者)
(翻訳:エァクレーレン)
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