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パンデミック台湾、コロナ感染急増で警戒水準を引き上げ 当局は市民に買いだめ控えるよう訴え
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台湾は台北市などで新型コロナウイルスの警戒水準を引き上げた。写真はPCR検査の会場。5月15日、台北で撮影(2021年 ロイター/Ann Wang)
台湾は15日、台北市などで新型コロナウイルスの警戒水準を引き上げた。蔡英文総統を含む当局は同日遅くに市民に対し、即席めんやトイレットペーパーなどの買いだめを控えるよう促した。
16日に報告された域内の新型コロナ新規感染者は206人に上った。
今後2週間、映画館など娯楽施設は閉鎖。家族などの集まりも屋内で5人、屋外で10人の上限が設けられる。屋外でのマスク着用も初めて義務付けられる。
バーやナイトクラブなどには休業命令がすでに出されていた。
陳時中・衛生福利部長は、感染症を抑えるにはこうした措置が必要、との考えを示した。
台湾の感染者の累計数は1682人となお低水準だが、ここ最近に相次いだ市中感染に市民の間では動揺が広がっている。台湾の市民は、海外で実施されたような全面的なロックダウン(都市封鎖)は未経験で、生活様式が大きく変わることもこれまではなかった。
警戒水準引き上げ後もオフィス、学校、レストランは閉鎖を求められておらず、北部・新竹市の半導体産業の集積地域は規制対象ではない。世界的に供給が不足する半導体の輸出には影響しない見通し。
ワクチンは米モデルナと英アストラゼネカから調達予定だが、限られた数のアストラゼネカ製が届いたのみで、接種率は低い。
蔡英文総統はフェイスブックへの投稿で「1年以上の準備期間があったため、防疫物資と民生品、原材料は十分にあり、店舗は通常営業して商品を補充している」と述べた。
仏小売大手カルフールは台湾の店舗でマスクや即席めんなどの商品の購入を制限すると説明した。
台湾の経済部(経済省)は天井近くまで即席めんの箱が積み上がっている倉庫の様子を写した写真を掲載し、トイレットペーパーや缶詰を含めて「山のような」供給があると強調した。
当局は全面的なロックダウンは命じていないが、市民にできる限り外出を控えるよう呼び掛けている。
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