ホテルで24時間監視、食事はカップ麺の「おもてなし」 欧州選手団がマジギレの東京五輪プレ大会
仮にコロナ感染が7月まで収まらず、それでも五輪本番に突入したら――選手村で選手らは連日、自室で3食をすべて弁当でまかない、行動範囲も競技会場や公式練習場と選手村との行き来だけとなる公算が高い。これで最大のパフォーマンスを出せという方が無理ではないか。
問題点3「揚げ物弁当とカップ麺ばかり」
「炭水化物ばかりでお腹は膨れるが、フレッシュな野菜や果物が何もない。タンパク質もない」
チームスタッフが「東京にやっと着いた」というメッセージとともにInstagramに載せていた夕食の写真には、揚げ物ばかりの弁当とポテトサラダが写っていた。
いうまでもなくアスリートはコンディション維持のため、さまざまな食事制限や食べるべきものが決まっている。それにしてもこれではバランスが悪い。ところが運営側が「足りないならこれを」と持ってきたのはカップ麺。まったくピンボケな対応は選手らの怒りに火を注いだ。
その後も食事の供給をめぐっては、チームの希望と運営側の対応がチグハグな状態が続いた。納得できない選手らは自ら解決するため、慣れない日本語サイトを使って、外部から食料などを取り寄せたという。
「ビタミンが足りないので『選手用にフルーツジュースを』と頼んだら、届いたのは2日後だった」「弁当のラインナップに辟易した選手が、ウーバーイーツをホテルに呼んだ」「生のフルーツがほしいと言っているのに、シロップ漬けのパックが届いた」
それでも会期が後半に向かうにつれ、弁当の中身はずいぶん進化したようだ。しかし、途中からそうした「選手が納得できる弁当」を用意できたならば、どうしてそれを最初から用意できなかったのか。大会における飲食物の供給に関しては完全に失敗だったといってよいだろう。
問題点4「練習で"密"が生じたのは本当?」
飲食物をめぐる「こじれ」に反して、競技会そのものは順調に行われた。大会では日本選手の活躍も目立った。中でも14歳の玉井陸斗選手が高飛び込みで五輪切符を手にしたのは、明るい話題となった。
一方、日本メディアの着目点には問題があったようだ。
大会初日の練習で選手らが間隔をほとんど空けないで飛び込み台に整列した状況を「選手が密」と伝えた。