最新記事

自然

世界各地にひっそりと繁茂する「ヘンな生態」の植物たち

Plants Around the World

2021年4月23日(金)19時46分
セーラ・ドレーヤー
『80植物世界一周』よりサグアロ

サグアロ(学名:カルネギエア・ギガンテア) ILLUSTRATIONS BY LUCILLE CLERC

<生き延びるために不思議な進化を遂げた植物や、古くから人類に利用されてきたユニークな草花を紹介>

庭や公園で何げなく目にしている木々や草花は驚くべき生命力を秘めている。地球上は奇妙な植物でいっぱいだ。染料やリキュール作りに利用される植物もあれば、砂漠の過酷な環境でたくましく育つ植物もある。妖艶な花や強烈な匂いで虫たちを誘う植物、片隅でひっそりと生きる植物......。新著『80植物世界一周』から世界のユニークな面々を紹介しよう。

01:サグアロ(サボテン)

アメリカ南西部

荒野に林立する巨大サボテン。寿命は200年を超え、重量10トン、高さ15メートルにもなる。水分の蒸発を防ぐため気温が下がる夜間に気孔を開いて、二酸化炭素を取り込む。キツツキの仲間サバクシマセゲラはなんとこのトゲだらけのサボテンに巣穴を設けて子育てをする。

02:ブルーアガベ(リュウゼツラン)

メキシコ

200427P58_02_MAP_10.jpg

学名:アガベ・テキラーナ ILLUSTRATIONS BY LUCILLE CLERC


テキーラの原料。開花に何十年もかかる。いよいよ開花の時期が来ると、花茎が最高6メートルも伸びて黄緑色の花を咲かせ、その後思いを遂げたかのように枯れる。

03:オオオニバス(スイレン)

ガイアナ

210427P58_03_MAP_09.jpg

学名:ビクトリア・アマゾニカ ILLUSTRATIONS BY LUCILLE CLERC


アマゾン盆地の湖沼に浮かぶガイアナの国花。葉の直径は最大3メートルで、水生植物では最大級だ。葉の裏側に空気の入る隙間があり浮力を保てる。花蜜を吸いにきた甲虫類は、日没時に花が閉じると出られなくなる。そして翌朝花粉だらけになって飛び去り、受粉を助ける。

今、あなたにオススメ

関連ワード

ニュース速報

ワールド

トランプ氏とゼレンスキー氏が「非常に生産的な」協議

ワールド

ローマ教皇の葬儀、20万人が最後の別れ トランプ氏

ビジネス

豊田織機が非上場化を検討、トヨタやグループ企業が出

ビジネス

日産、武漢工場の生産25年度中にも終了 中国事業の
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
特集:独占取材 カンボジア国際詐欺
2025年4月29日号(4/22発売)

タイ・ミャンマーでの大摘発を経て焦点はカンボジアへ。政府と癒着した犯罪の巣窟に日本人の影

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口の中」を公開した女性、命を救ったものとは?
  • 3
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが「竹建築」の可能性に挑む理由
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア武器庫が爆発、巨大な火の玉が吹き上がる...ロ…
  • 6
    足の爪に発見した「異変」、実は「癌」だった...怪我…
  • 7
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 8
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 9
    日本では起こりえなかった「交渉の決裂」...言葉に宿…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 2
    「スケールが違う」天の川にそっくりな銀河、宇宙初期に発見される
  • 3
    【クイズ】「地球の肺」と呼ばれる場所はどこ?
  • 4
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?.…
  • 5
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボラン…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投…
  • 8
    トランプ政権はナチスと類似?――「独裁者はまず大学…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    【クイズ】世界で最もヒットした「日本のアニメ映画…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中