トランスジェンダーの子供を脅かす暴力的な米保守派
Transgender 4th Grader Gets Death Threats
性別違和に悩む子供には周囲の理解と支援が必要なのに Sam Thomas-iStock
<トランスジェンダーの子供に対する薬物治療を罰する法案を批判する証言を行った子供に「死ね」と脅迫が殺到>
テキサス州に住む小学4年生のトランスジェンダー、カイ・シャプリーは4月12日に州議会の委員会で証言を行った。その後カイのSNSアカウントには「死ね」などの脅迫メッセージが殺到していると、母親のキンバリー・シャプリーは訴える。
カイがテキサス州上院州務委員会に喚問されて証言を行ったのは、保守派の議員団が提出した法案の審議のためだ。
問題の法案1646号は、「第二次性徴を抑制する処方薬または性転換のためのホルモン剤の投与または提供を許可するか手助けする」ことを児童虐待の定義に含める、という内容だ。
この法案が通れば、性自認と生まれつきの性が異なる未成年者は、FDA(米食品医薬品局)が認可したホルモン療法を受けることはおろか、第二次性徴を遅らせる処方薬を飲むことも許されず、それを許可するか手助けした親や保護者、医療従事者、薬剤師は刑事責任を問われることになる。
10歳の勇気に反発する大人
カイは議会でこう訴えた。「自分のことは自分で決めたい。テキサス州の(保守派)議員は、私がプレK(幼稚園入園前)の頃から、何かといちゃもんをつけてきた。今は4年生。いい加減にしてほしい」
さらに、宗教的な立場から法案を支持していると述べた共和党のチャールズ・ペリー州上院議員に、カイはこう反論した。
「私を創ったのは神さま。神さまはありのままの私を愛してくださっている。神さまが間違いを犯すと言うのですか」
母親のキンバリーは4月20日付のツイートで、娘が脅迫を受けていると知って、SNSを一切使わないよう助言したと明かした。
「10歳の子供に宛てたとは思えないようなメッセージやコメントに震え上がった。一番新しいコメントは、娘のYouTubeチャンネルへの書き込みで、『ったくムカつくガキだ。こんなクソガキは殺されればいい』というものです」
トランスジェンジェンダーの息子を支援し、やはり州議会で証言をしたもう1人の母親、アンバー・ブリッグルも証言後に自分や家族に宛てに殺人予告などの脅迫が殺到していると訴えている。