最新記事

感染症対策

アストラゼネカ、年内に南ア変異株対応コロナワクチン用意も

2021年4月19日(月)09時13分

英製薬大手・アストラゼネカの責任者は4月18日、同社が南アフリカで最初に特定された新型コロナウイルス変異株に対応するために改良したコロナワクチンを年内に用意できる可能性があるとの認識を示した(2021年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

英製薬大手・アストラゼネカの責任者は、同社が南アフリカで最初に特定された新型コロナウイルス変異株に対応するために改良したコロナワクチンを年内に用意できる可能性があるとの認識を示した。

アストラゼネカのオーストリア担当マネジャー、サラ・ウォルターズ氏のインタビュー記事が、18日付のオーストリア紙クリアに掲載された。

同氏はインタビューで、より感染力の強い南ア型変異株に対する既存のアストラ製ワクチンの効果が低いことを示す研究結果は、これまでのところ「結論を導くには少な過ぎる」と指摘。「アストラゼネカとオックスフォード大学は南ア型変異株に対応するようコロナワクチンの改良に着手しており、年内に用意できる見通しだ」と語った。

また、年内に欧州連合(EU)向けに3億回分のアストラ製コロナワクチンを供給する契約の履行に自信を示した。

インタビューでは、アストラ製ワクチンの安全性を巡り調査が行われている点について、直接の言及はなかった。

EUの医薬品当局が今月、アストラ製コロナワクチンとまれな血栓症の発症が関連している可能性があると指摘したことを受け、デンマークは同社ワクチンの使用を中止、使用に年齢制限を設定する国も相次いでいる。

オーストリアで数千人がアストラ製ワクチンの接種をキャンセルしたことについて、同社のウォルターズ氏は、医師がワクチン接種の恩恵とリスクを人々に十分説明できるようにワクチンの有効性と安全性に関する情報を提供し続けることが会社の方針だと語った。

英国とEUの医薬品当局は、コロナワクチン接種の恩恵はまれな血栓症発症のリスクをなお上回るとの認識を示している。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中