イタリア、ワクチン接種後の死亡めぐり検察が捜査 医師と看護師に業務上過失責任は問えるか?
イタリア憲法の下では、検察は完全な独立性を維持しており、いかなる種類の外的圧力にも左右されない。さらに、彼らが関心を持つ事件は何であれ捜査を行うことが法により義務付けられている。
ボノ検察官はロイターに対し、「捜査は粛々と進めなければならず、世論を考慮する余地はない」と語り、海軍将校の死に対して過剰反応しているのではないかとの見方を否定した。
同検察官は、自分自身はワクチンに対して何の恐れも抱いていないことを強調し、死亡した男性の遺族と面会してから数時間後に自らアストラゼネカ製ワクチンの接種を受けたことを明かした。
既往症のない接種者が死亡
シラクサで死亡した海軍将校は、ステファノ・パテルノさん(43歳)。妻がテレビ局「La7」に語ったところでは、特に何の既往症もなく、3月8日午前中、ワクチン接種を受けるためにシチリア島東岸アウグスタ軍病院に向かったという。数時間後に微熱が出たが、寝る頃には下がったという。
だが深夜2時頃、彼は発作のような症状を示し、すぐに救急車が駆けつけたものの、まもなく亡くなった。
妻によれば、遺族は死亡とワクチン接種のあいだに関連があるのか調べるよう地元の検察官に要請したという。
ボノ検察官はただちに過失致死の可能性を調べ始めた。その後、看護師1人と医師2人、さらにはアストラゼネカのイタリアでの責任者を容疑者として指名した。医療関係者3人の名前は発表されていない。
ボノ氏によれば、迅速に容疑者を明確にしたことで、容疑者の側でも弁護士を指名して、その後行われる検視に対応してもらうことが可能になったという。
「彼らにとっては安心材料だ。(検視の)手続きに関与する権利を得て、意見を言うことができる」