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感染症対策アストラゼネカ製ワクチン、米治験データは不完全な可能性=米感染研
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米国立アレルギー感染症研究所は23日、英アストラゼネカが米国で行った新型コロナウイルスワクチンの大規模臨床試験(治験)で「不完全な」有効性データを提供した可能性があるとの見解を示した。写真は同社の北米本部、22日撮影(2021年 ロイター/Rachel Wisniewski)
米国立アレルギー感染症研究所(NIAID)は23日、英アストラゼネカが米国で行った新型コロナウイルスワクチンの大規模臨床試験(治験)で「不完全な」有効性データを提供した可能性があるとの見解を示した。これを受け、アストラゼネカは48時間以内に最新のデータを発表すると表明した。
アストラゼネカは22日、英オックスフォード大学と開発したコロナワクチンについて、米国とチリ、ペルーで行われた大規模治験で79%の予防効果が示されたほか、血栓リスクの増加は見られなかったと発表した。
NIAIDによると、独立組織のデータ安全性モニタリング委員会(DSMB)は「アストラゼネカが治験の古い情報を盛り込んだ可能性があり、有効性データの不完全な概観を提供したかもしれないとの懸念を表明した」という。
その上で同社に対し、DSMBと協力して「有効性データを見直し、最も正確で最新の有効性データを可能な限り早く公表」するために取り組むよう求めた。
同社は数週間内に米当局にワクチンの緊急使用許可を申請する計画だが、今回の米側の要請によって不透明感が強まった。
アストラゼネカは「昨日公表したデータは2月17日までに得られたデータの中間分析に基づいたものだった」と説明。直ちにDSMBと取り組みを進め、48時間以内に有効性を巡る最新のデータを公表するとした。
NIAIDのファウチ所長は、アストラゼネカのワクチンについて「極めて有効なワクチンだというのが事実だ」とした上で、「データは実際は良好だが、報道発表に含まれたものは完全に正確ではなかった」と述べた。
*情報を追加します。
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