アトランタ銃撃、容疑者が性依存症でも動機がアジア人差別でなかったことにはならない
Atlanta Attack Exposes Dangerous Sexualization of Asian Women
非営利組織「全米アジア太平洋系米国人女性フォーラム」の事務局長を務めるサン・ヨン・チョイモローはNBCニュースに対して、アジア系女性に対するそのような定型化されたイメージが「女性蔑視や女性嫌悪を煽っている」と指摘した。
歴史家で『The Color of Success: Asian Americans and the Origins of the Model Minority(成功の色:アジア系米国人と模範的少数派の起源)』の著者であるエレン・ウーによれば、アジア系女性についてのこうした定型化の起源は19世紀にまで遡る。
アメリカではゴールドラッシュ時代に、中国をはじめとする各国からの移民が増加。これらの中国人移民には少数の女性が含まれ、その中には売春婦もいた。
ウーによれば、当時の政治家たちはそうした女性の入国を禁止または制限しようと試みた。「売春目的で」女性を入国させることを禁じた1875年のペイジ法制定もその一環だ。
新型コロナの影響でヘイトクライムが増加
マッサージ店を狙った銃撃事件の捜査は現在も続いている。在米韓国人委員会のキムは本誌に対して、「もっと時間が経ってより多くの事実が明らかになれば、事件の原因がよりはっきりしてくるだろう」と語った。在米韓国人委員会をはじめとするアジア系米国人組織は、今後の進展に注目していくつもりだ。はっきりしているのは、今回の攻撃がアジア系米国人コミュニティーに衝撃を与え、既に大きな不安を感じているコミュニティー内の恐怖心を高めるということだ」
アメリカでは、(中国の武漢で最初に感染例が報告された)新型コロナウイルスの感染拡大が始まって以降、アジア系住民に対するヘイトクライムが増えている。カリフォルニア州立大学のヘイト・過激思想研究センターによれば、アジア系住民に対するヘイトクライムは2020年、前年よりも150%近く増加した。
ジョージア州で起きた今回の銃撃事件の前日、同州議会初の東アジア系上院議員であるミシェル・アウは、州議会でアジア系米国人に対する人種差別について次のように警告を発していた。「私たちには助けが必要であり、保護が必要だということを分かって欲しい。権力の座にある人々が、私たちのためにヘイトに立ち向かってくれることが必要なのだ」