アトランタ銃撃、容疑者が性依存症でも動機がアジア人差別でなかったことにはならない
Atlanta Attack Exposes Dangerous Sexualization of Asian Women
女優のジェンマ・チャンは今回の事件について、インスタグラムに次のように投稿した。「いま起こっていることに目を向けて欲しい。アジア系コミュニティーに対する恐ろしい攻撃が増えていて、今回の事件はその一例にすぎない。人種差別と女性嫌悪は相反しない。実際に私たちは、性的な理由による人種的嫌がらせや暴力を日常的に目の当たりにしている」
さらに彼女はこう続けた。「アジア系住民を非人間的に扱うのはやめるべきだ。新型コロナウイルス感染症をアジア系住民のせいにするのはやめるべきだ。私たちは団結して、あらゆる形の憎悪に抵抗していく必要がある」
ツイッターユーザーの@cmliwagdixonは、次のように投稿した。「アジア系女性を性の対象として見る動きが、私たちが直面している暴力の大きな原因だ。私自身も街で複数の男に『ずっと好きだった』と詰め寄られた経験や、金銭と引き換えに『幸せになるマッサージ』をしてくれと言われた経験がある。アジア系だからという理由で殴られた経験もある」
この投稿はツイッター上であっという間に広まり、17日に投稿されて以降、23万4000件を超える「いいね」がついている。
アジア系女性はモノとして見られてきた
@cmliwagdixonはその後の投稿でさらに、「アジア系女性は、モノや戦利品として見られたり扱われたりすることがあまりに多い。メールオーダーの花嫁(ネットで見つけた花嫁)についてのジョークや、ハリウッド映画の中でのアジア系女性の描かれ方にも、深刻な問題が頻繁にみられる。そしてアジア系女性は、それが原因で殺されている」と主張。この投稿にはこれまでに2万6000件を超える「いいね」がついている。
カリフォルニア大学のキャサリン・セニザ・チョイ教授(倫理学)は、今回の事件にを人種差別と無関係だと見なすことは、アジア系女性がアメリカで100年以上前から嫌がらせや暴力を受けてきたことを否定するのに等しいと考えている。
チョイはNBCニュースに対して、次のように述べた。「一人の男を誘惑するものを排除するためにアジア系米国人の女性たちを殺す行為は、アジア出身の女性やアジア系米国人の女性がモノとして見られてきた歴史を裏づけている。アジア系の女性たちは神秘的で魅惑的な存在や『蓮の花(色白で華奢な女性)』など、男たちの空想や願望に関連づけた価値しかない存在として見なされてきた。これは恐ろしいことだ。私たちをフェティシズムの対象にするのはやめて欲しい」