ヘンリー王子&メーガン妃インタビュー、誰が勝者で誰が敗者なのか?
Who Won the Interview?
王室から受けた仕打ちを暴露したメーガン(左から2人目)は「侮れない人物」という評価を勝ち取った Joe Puguese-Harpo Production-REUTERS
<反響を呼んだ王子とメーガン妃の独白番組で得した人と損した人を「勝手に」ランキング>
日曜のテレビはスポーツ中継ばかりで退屈とお嘆きのドラマ好きも、3月7日の晩は手に汗握ってメーガン妃とヘンリー王子のインタビューを見守ったはず。オプラ・ウィンフリーの仕切りは絶妙だったし、なによりも勝者と敗者がはっきりしていた。
メーガン陣営と英国王室による熾烈な世論争奪戦は、ボールを奪い合う試合の決勝戦よりずっと白熱していた。で、結果はどうだったか。筆者の独断と偏見で、失点の少なかった順に20位までランク付けしてみた。
無傷の勝ち組
1位:メーガン妃 見事に最少失点で切り抜けたのは彼女だ。メーガンが一人で英王室をぶち壊したとまでは言うまい。しかし彼女が3月7日の晩のヒロインだったことは間違いない。メーガンは王室入りしてからのつらい体験を率直に語る一方、特定の個人名は出さないよう慎重に配慮していた。やむなくケイト妃(ウィリアム王子の妻キャサリン)の名は出してしまったが、兄嫁の立場には寛大な理解を示そうとした。
その結果、メーガンは王室に恨みを抱いているのではなく、むしろ王室を、ひいては世界をいい方向に変えたいと思っているだけだという印象を視聴者に与えた。この調子がずっと続く保証はないが、彼女が「やり手」であることは世界に示せた。
2位:オプラ 自身のトーク番組を終わらせてから10年近くたつ彼女が、今も抜群の知名度と人気を保っているのは事実。こうした注目度の高いインタビューを得意としているのも周知の事実。それでも視聴者の多くは、今回のウィンフリーのパフォーマンスに拍手を送ったと思う。メーガンもヘンリーもそれなりの覚悟で収録に臨んだはずだが、それでも2人の本音を引き出せたのは彼女の功績だ。
3位:CBS アメリカではリアルタイムで1710万人が番組を視聴した。しかも今はストリーミング配信で大いに稼げる。ニューヨーク・タイムズ紙の報道によれば、放映権の取得に700万ドルも払ったそうだが、それでもオールドメディアの代表格であるCBSにとっては大勝利だ。
4位:故ダイアナ妃 番組中ずっと、ポジティブな存在として語られ続けたのがダイアナ妃だ。ヘンリーが自身の家族のためにイギリスを離れて新生活を始めることができたのも母ダイアナの遺産があったからこそ。メーガンが精神的に追い込まれていたときに支えてくれたのもダイアナの友人たちだ。世を去ってからこれだけの年月が流れても、ダイアナの威光は絶大で、父チャールズ皇太子を筆頭とする王族の誰もかなわない。
5位:アーチー 番組中にはメーガンとヘンリーの息子アーチー(もうすぐ2歳になる)が父親と一緒に自転車に乗り、片言でおしゃべりする様子も映し出された。アメリカの視聴者は思ったはずだ。こんなに愛らしい子が冷遇され、人種差別を受けていたなんて許せない、坊や、アメリカ人は君の味方だよ、いずれ君は、いとこたち(つまり長男夫妻の子たち)も羨む人気者になるぞ、と。