米空母の南シナ海派遣はバイデン政権の「不安の表れ」──中国専門家
U.S. Military Near China a Sign of Joe Biden's 'Insecurity'—Chinese Analyst
胡は、アメリカが力を誇示する上で鍵を握るのが11隻の空母であり、今のところこれと肩を並べるレベルの空母を保有している国はほかにないと説明。だが米政府がこれらの空母を酷使していることが今後の「不安材料」になるだろうと指摘した。
彼は2020年11月に米海軍協会が行った分析を引用し、米軍の空母が2020年1月から10月31日までの間に海上で過ごした日数は、延べ855日にのぼると述べた。2019年の1年間の延べ日数よりも258日多い。
現在の傾向が続けば、米軍による南シナ海への空母派遣は「大幅に増えて、年に数十回に及ぶ可能性がある」と胡は予想する。「中国と中国軍は今後、西太平洋で日常的に、アメリカの2つの空母打撃群に対処する備えをしなければならないかもしれない」と胡は書き、グアムにある米軍基地は、アメリカが力を誇示する上での「戦略的な支点」だと分析した。
また中国政府は今後、南シナ海に頻繁に艦船が配備される事態への対抗策を練る必要があるだろうと結論づけた。
米政府「中国は今世紀最大の地政学上の課題」
3月3日には、中国海軍の退役将校で軍事評論家のSong Xiaojunが中国中央電視台(CCTV)の番組「ディフェンス・レビュー」の中で、アメリカが南シナ海と台湾海峡に艦船を派遣しているのは「『中国脅威論』を増幅」させて「同盟諸国を味方に引き入れる」ためだと述べた。
中国との「長期にわたる戦略的な戦争」に備えるにあたり、バイデン米大統領は数カ月をかけて、中国のどの脅威に優先的に対処するかを決断する必要があるだろうと彼は同番組の中で分析した。
この番組が放送された数時間後、アントニー・ブリンケン米国務長官はバイデン政権の外交政策について演説を行い、中国をアメリカにとって「今世紀最大の地政学上の課題」と称した。
ホワイトハウスは3日、外交・軍事政策の指針となる23ページの暫定版国家安全保障戦略ガイドラインを発表。この中で中国について、「安定的で開かれた国際システムに持続的な挑戦をする経済力、外交力、軍事力と技術力を備えている可能性のある唯一の競合国」と言及した。