最新記事

米中関係

始動したバイデンのアジア外交に中国が反発 クアッドは「アジア版NATO」

China Chides 'Cold War Mentality' As Antony Blinken Bolsters Anti-Beijing Alliance

2021年3月17日(水)16時51分
ジョン・フェン

さらに、バイデン政権はドナルド・トランプ前大統領が本格的に始めたいくつかの重大な措置を認めており、米中の貿易戦争は続いている。中国政府が支援するハッカー集団によるマイクロソフトのサーバー向けソフトを標的としたハッキング攻撃など、新たな技術的脅威も発生している。

12日のクアッド会合の後で発表された共同声明によれば、各国の国家元首は2021年末までに対面でサミットを開催することを約束した。この会合は、インド太平洋における安全保障と経済パートナーシップの強化に向けた米政府の政策転換のもう一つの節目となるだろう。

アナリストは、クアッドの使命を、この地域における中国の影響力に対抗することと説明しているが、中国政府は「アジア版NATO」の創設だと批判している。

だが米政府は、12日の会議は主に公衆衛生と気候危機に焦点を当てていると説明し、中国の主張を否定した。

バイデン政権のジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、クアッドは「軍事同盟ではない」し、「新しいNATOでもない」と語った。

「4人の首脳は中国がもたらす問題について話し合い、誰も中国について甘い考えを抱いていないことを互いに確認した。しかし、今回の会合は基本的に中国について、ではなかった」と、サリバンは首脳協議の後で、記者団に語った。

中国側と直接協議も

サリバンは18日にブリンケンと共にアラスカに飛び、王毅外相および中国外交担当トップの楊潔篪(ヤン・チエチー)政治局員(外交担当)とともにアンカレッジで会談する。

この協議の性質について米中両政府は相反する見解を発表している。中国政府は会合を「ハイレベルの戦略的対話」になると主張しているが、ブリンケンは否定。

ブリンケンとオースティンは17日にソウルで韓国の外務・国防相との「2プラス2」を開く。米国防総省によると、オースティンはこの後、アジア歴訪の一環としてインドを訪問する。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中