トランプにうんざりの共和党員が大量離党 右傾化に拍車か
議会襲撃が「最後の一撃」
ロイターが先の3州で40人弱の離党者を取材したところ、彼らの多くはトランプ氏の存在をその理由に挙げた。議会襲撃はもとより、その前から大統領選の不正を言い立てるトランプ氏を共和党議員が支持し続けてきた点も同党への反発をかきたてる一因となった。
弁護士を引退しフロリダ州ナッソー郡のジャクソンビル近郊に住むダイアナ・ヘプナー氏(76)は財政保守派を自認する共和党員だったが、トランプ氏の言動にうんざりしたと話す。
トランプ氏が持ち込んださまざまな要素を共和党は克服できると考え、何とか党員として踏ん張っていたが、1月6日の議会襲撃が離党を決める「最後の一撃」になったと説明した。代わって民主党員になったヘプナー氏は、今後の民主党の予備選挙に自分が中道主義者として影響を与えられたらいいと望んでいる。
ヘプナー氏が暮らすフロリダ州では、昨年12月半ばから今年2月半ばまでに、およそ4万人が共和党を離れた。依然として500万人強に上る同州の党員総数に比べれば微々たるものかもしれないが、そこそこの離党者数であっても、予備選が接戦になる場面では大きな違いをもたらす。フロリダやペンシルベニアのように、共和党の予備選に投票資格を実際の党員だけに限っている州では、なおさらだ。
実際、昨年8月18日にフロリダで行われた共和党下院議員候補の予備選では、得票差1500票未満で候補指名を獲得した2人が、11月の本選でも勝利した。そのうちの1人で、トランプ氏支持を公言したバイロン・ドナルズ氏は予備選で、800票弱のわずかな差で他のトランプ氏を支持する候補者や穏健派候補者ら8人との競争を勝ち抜いた。