現役医師が断言、日本の「ゆるいコロナ対策」が多くの命を救った
欧州でも、強力な措置が取られました。
ドイツでは、10万人あたり新規感染者が200人以上の場合は移動制限になります(注3)。1400万都市東京では、1日に3万人という規模です。500人を目標にしている東京が、世界的にみてどれだけ完璧すぎるか良くわかる実例です。
フランスでは、夜間外出禁止令も出されており大型ショッピングモールの閉鎖が指示されています(注4)。全土で夜間外出制限が命じられ午後6時までに帰宅という厳しい措置が取られています(注5)。
オランダでは、1月23日から夜間外出禁止令が発令されました(注6)。それに呼応し、規制を行う国側と市民が衝突。各地で放火などを伴う暴動が起きています(注7)。
ロックダウンは解決にならない
イギリスでは、1月に3度目のロックダウンを行いました(注8)。それでも長引く規制にもかかわらず、死者が10万人を超え国民に大きな不満が蓄積しています(注9)。
オーストラリアは、厳しい外出制限とほぼ鎖国に近い状態により市中感染が起きないところまできていました(注10、11)。ところが、2021年になり市中で変異ウイルス感染の感染拡大が再発しました(注12)。
2021年になり暴動を抱えながらも厳しい行動制限を国民に課しているオランダから、ロックダウンは意味がなかったという分析報告がありました(注13)。
新型コロナウイルスに対して、人間は完全に封じ込める力をもたないことを証明しています。厳しい制限をして発生数を減らすことはできるかもしれません。けれども一時ゼロにまで持っていってもどこかで発生してきます。
PCR検査を無限にやっても陽性者の隔離を厳密に行っても、封じ込めはできません。濃厚接触の掘り起こし追跡調査の終了は賢明な判断です。流行は下火になりました。昨年9月の「感染者ゼロを前提にすると、新型コロナは終わらない」で予想したとおりの経過をたどっています。
厳しいロックダウンで窮地のインド
JETROで、世界最大の厳しいロックダウンを課したインドの窮状が伝えられています(注14)。この報告の中で、インドを含め米国や欧州ドイツに比べて日本が大変に緩い規制だった調査結果がグラフで示されています。
自粛を強要する警察が、生活のためにやむなく家から出た国民を暴行している映像も流れました(注15)。
2020年3月にはすでに厳しい取り締まりが開始されていますが、1日に10万人以上の陽性者を出した9月中旬まで増加しつづけました。その後ゆっくり自然減少に転じていきました。これだけ厳しく取り締まっても、コロナの死亡者は15万人を超えロックダウンによる経済被害と合わせ甚大な被害は免れませんでした。
立法して警察組織が厳しく刑事罰を科しても、流行の急速な沈静化はできなかったのです。