最新記事

アメリカ政治

トランプ弾劾裁判の弁護団、トップが突然辞任 戦略めぐり対立か

2021年2月1日(月)09時19分

トランプ前米大統領の弾劾裁判を担当する弁護チームのトップ2人が30日に突如として辞任したことが、事情に詳しい関係筋の話で明らかになった。20日、フロリダ州パームビーチで撮影(2021年 ロイター/Carlos Barria)

トランプ前米大統領の弾劾裁判を担当する弁護チームのトップ2人が30日に突如として辞任したことが、事情に詳しい関係筋の話で明らかになった。

トランプ氏の事務所は31日、弾劾裁判ではデービッド・ショーン、ブルース・キャスター両弁護士が弁護チームを率いると発表した。

弁護チームを離れたのはサウスカロライナ州のブッチ・バウアーズ、デボラ・バルベリ両弁護士。関係筋は「双方が合意した決定」だとした。

別の関係筋によると、弁護チームと関係のある他の3人の弁護士もトランプ氏とたもとを分かった。

3人目の関係筋は、トランプ氏とバウアーズ氏は弾劾裁判が始まるのを前に、戦略を巡り意見が食い違ったと語った。トランプ氏はいまだに、自分は昨年11月の大統領選での大規模不正の被害者だと主張している。

議会上院は2月9日に弾劾裁判を開始する見通し。トランプ支持者が連邦議会議事堂に乱入した1月6日の事件を巡り反乱扇動が問われることになる。

ウクライナ疑惑を巡るトランプ氏の1回目の弾劾裁判を担当したホワイトハウスのシポローネ法律顧問とパット・フィルビン次席法律顧問(ともに当時)は今回の弾劾裁判には関与しないとみられる。

トランプ氏の顧問、ジェイソン・ミラー氏は「既に退任した大統領に対する民主党の弾劾の試みは完全に違憲で、この国にとって非常に悪い」とコメントした。

上院は26日、トランプ氏弾劾裁判の停止を求めて提出された動議を過半数で否決した。ただ、採決の結果は賛成45、反対55と、裁判停止に反対した共和党議員は5人にとどまり、同党の結束の強さを浮き彫りにした。実際の裁判でトランプ氏を有罪とするのに必要な票は集まらないとの指摘も出ている。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



20240521issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年5月21日号(5月14日発売)は「インドのヒント」特集。[モディ首相独占取材]矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディの言葉にあり

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EU、中国製ブリキ鋼板の反ダンピング調査開始

ワールド

イスラエルはガザ停戦努力を回避、軍事解決は幻想=エ

ワールド

「英国を再建」、野党・労働党が選挙公約 不法移民対

ワールド

マレーシアGDP、第1四半期は前年比4.2%増 輸
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:インドのヒント
特集:インドのヒント
2024年5月21日号(5/14発売)

矛盾だらけの人口超大国インド。読み解くカギはモディ首相の言葉にあり

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 2

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 3

    羽田空港衝突事故で「日航の奇跡」を可能にした、奇跡とは程遠い偉業

  • 4

    存在するはずのない系外惑星「ハルラ」をめぐる謎、…

  • 5

    老化した脳、わずか半年の有酸素運動で若返る=「脳…

  • 6

    アメリカはどうでもよい...弾薬の供与停止も「進撃の…

  • 7

    共同親権法制を実施するうえでの2つの留意点

  • 8

    半分しか当たらない北朝鮮ミサイル、ロシアに供与と…

  • 9

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 10

    総額100万円ほどの負担増...国民年金の納付「5年延長…

  • 1

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 2

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する悲劇の動画...ロシア軍内で高まる「ショットガン寄越せ」の声

  • 3

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 4

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 7

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 8

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国…

  • 9

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 7

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中