最新記事

感染症対策

コロナ変異種は死亡リスク高い恐れ、ワクチンは有効=英首相ジョンソン

2021年1月23日(土)08時20分

ジョンソン英首相はロンドンや英南東部で昨年末に確認された新型コロナウイルス変異種が高い死亡リスクを伴う恐れがあると警鐘を鳴らした。しかし、同国で接種を行っているワクチンは従来種と変異種双方の予防に有効と強調した。写真は1月20日、議会で答弁するジョンソン首相(2021年 ロイター)

ジョンソン英首相は22日、ロンドンや英南東部で昨年末に確認された新型コロナウイルス変異種が高い死亡リスクを伴う恐れがあると警鐘を鳴らした。しかし、同国で接種を行っているワクチンは従来種と変異種双方の予防に有効と強調した。

ジョンソン首相は「変異種は感染力が強いだけでなく、死亡率も高い可能性があると報告を受けた」と述べた。

これに先立ち、英メディアITVの政治記者は政府の保健顧問チームの情報として、データは限られているものの、変異種による死亡リスクは従来型に比べ1.3倍高いとツイッターに投稿していた。

また、英保健省は新型コロナ新規感染者が1日当たり1─4%減少するとの試算を示した。先週時点の最大5%増加するという見通しから大きく改善した。

1人の感染者が新たに何人に感染させるかを示す「基本再生産数」も0.8─1と、先週の1.2─1.3%から低下した。

今週に入り1日当たりの新規感染者数は4万人以下と、2週間前の約7万人から減少している。

しかし、英国家統計局(ONS)の試算では、国内では55人に1人が感染している可能性があり、保健省は「感染者数は依然として危険なほど多く、ウイルス抑制に向けて警戒を続ける必要がある」と警告。「ワクチン接種の有無にかかわらず、引き続き自宅にとどまることが必要」と注意を促した。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...
→→→【2021年最新 証券会社ランキング】



22日時点の新規感染者は4万0261人と、前日の3万7892人から増加。累計では350万人超。

死者は約1400人。累計では9万5981人となった。20日には死者が過去最多の1820人に達していた。

ワクチン接種は順調に進んでおり、過去24時間に接種を受けた人は約41万人で、1回目のワクチン接種を済ませた人は累計538万人となった。

イングランドとスコットランドでは今月4日、感染力の強い新型コロナ変異種の感染抑制に向け、全面的なロックダウン(都市封鎖)措置が導入された。

ジョンソン首相は21日、イングランド全体でのロックダウン解除時期について言及するのは時期尚早と述べた。

20250225issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年2月25日号(2月18日発売)は「ウクライナが停戦する日」特集。プーチンとゼレンスキーがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争は本当に終わるのか

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中