議事堂の次は就任式が危ない?トランプ支持者の襲撃に備えるワシントン
Experts Warn of Inauguration Threat to Soft Targets, 'Fully Expect Violence'
NSSEの延長、災害前の緊急宣言発令、毎日の情報ブリーフィングなど、さらに厳しい措置を求めている公職者はバウザーだけではない。
国土安全保障省は、同省のチャド・ウルフ長官代行が11日に発表した声明に言及し、「この1週間の出来事と、就任に至るまでの安全保障情勢とシークレットサービスのジェームズ・マレー長官の勧告に照らして」NSSEを拡大したと本誌に語った。
「連邦、州、地元当局は引き続き連携して、この重要な式典のためにそれぞれの計画と配備要員を調整し続ける」と、ウルフは語った。
だが声明の発表後まもなく、ウルフは辞任を発表した。実は最近、ウルフの長官代行ポストへの就任が合法的ではないとの判断をカリフォルニア州の裁判所が示していた。
「権力の移行のこの重要な時期に、本省の重要な仕事にあてられるべき注意力とエネルギーが徐々に奪われている」と、ウルフは文書で声明を発表した。
ウルフの後任に予定されているのは、連邦緊急事態管理局(FEMA)のピーター・ゲイナー長官だ。ゲイナーは米海軍に26年間所属、イラクでの戦闘作戦を調整し、中佐の階級で引退した。
トランプ政権の4年間の間に長官(または長官代行)の地位を引き継ぐのはゲイナーで6人目となる。
難しい白人テロの防止
司法省に属するFBIに関していえば、2005年のハリケーンをきっかけにカトリーナ合同タスクフォースの司令官を務め、ワシントン統幕事務局にも属していたラッセル・オノレ退役陸軍中尉は、極右の白人至上主義者の脅威の増大をあえて知らないふりをしてきたせいで、連邦当局が十分に機能できない状態に陥ったことを懸念している。
「白人テロリストの監視となると、FBIは、ほぼ何もできない。彼らはテロリストと宣言されていないからだ」と、オノレは本誌に語った。「彼らはFBIが尊重しなければならないアメリカ市民であり、悪いことをしない限り、そうしたグループを日常的に監視することはない」
議事堂襲撃が可能だったのは、群衆が立法の象徴である建物に押し入ることに議事堂警察の幹部が「加担」していたからだ、とオノレは主張する。
オノレが就任式で懸念する事項のなかには、パイプ爆弾と単独犯による狙撃がある。だが特に確信しているのは、地下鉄や発電所など、セキュリティゾーン外の重要なインフラポイントの脆弱性だ。議事堂に侵入するほど厚かましい連中なら、「どんなものでも追い求めかねない」と、オノレは言う。