最新記事

感染症対策

NY・フロリダ州、病院にワクチン接種の加速求める 応じなければ配布停止や罰金も

2021年1月5日(火)11時18分

米ニューヨーク州のクオモ知事は4日、新型コロナウイルスワクチンが配布されてから1週間以内に接種を実施しない州内の病院に対し罰金を科し、追加配布を拒否する方針を発表した。昨年撮影(2021年 ロイター/)

米ニューヨーク州のクオモ知事は4日、新型コロナウイルスワクチンが配布されてから1週間以内に接種を実施しない州内の病院に対し罰金を科し、追加配布を拒否する方針を発表した。

フロリダ州のデサンティス知事も、接種が遅れている病院へのワクチンの割り当て分を迅速に進める病院に再配分する方針を表明した。

クオモ知事によると、ニューヨーク(NY)市の主要な公共病院ネットワークであるヘルス+ホスピタルズ・システム(H+H)は配布されたワクチンの31%しか投与しておらず、他より遅れが目立っているという。州の民間病院の中には投与率が99%に達しているところもあり、州全体の平均は46%だとした。

デブラシオNY市長の報道官は、ツイッターで知事の方針を批判。「H+Hのワクチン接種の『特権』を『はく奪』すると脅すのは懲罰的で不必要だ」とした。

クオモ知事はその後、英国で拡大している新型コロナウイルスの変異種が同州で初めて確認されたと発表。ワクチン普及の必要性が一段と強まった格好となった。

フロリダ州のデサンティス知事はワクチン投与に向け看護師1000人を追加配置し、州が運営する接種会場を毎日稼働する考えを示した。接種が遅れている病院への罰金には言及しなかった。

米連邦政府は国内に1500万回分以上のワクチンを配布。しかし、接種は追い付いておらず、米疾病対策センター(CDC)が4日公表したデータによると、接種を受けたのは約450万人にとどまっている。

NY州は12月半ば以降に89万6000回分のワクチンの供給を受けたが、投与者数は17万5000人にとどまっている。フロリダは114万回分の供給を受け、投与者数は26万5000人。

米国ではまた、1回目のワクチン接種から3週間が経過した人たちがこの日、国内で初めて2回目の接種を受ける予定。

*内容を追加しました。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



20241022issue_cover150.png
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年10月22日号(10月16日発売)は「米大統領選 決戦前夜の大逆転」特集。アメリカ大統領選を揺るがす「オクトーバー・サプライズ」 勝つのはハリスか? トランプか?

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:豪が子どものSNS利用禁止を計画、「孤立

ビジネス

利下げ急ぐ必要なし、インフレ率2%回帰に向け=アト

ワールド

ハマス最高指導者後任、ガザ地区外から選出か シンワ

ビジネス

米国株式市場=ダウ・S&P最高値、ネトフリとハイテ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
特集:米大統領選 決戦前夜の大逆転
2024年10月22日号(10/16発売)

米大統領選を揺るがす「オクトーバー・サプライズ」。最後に勝つのはハリスか? トランプか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 2
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせる作戦か、戦争でタガが外れたのか
  • 3
    韓国著作権団体、ノーベル賞受賞の韓江に教科書掲載料を1ウォンも払わず 「連絡先分からず」と苦しい言い訳
  • 4
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の…
  • 5
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 6
    逃げ場はゼロ...ロシア軍の演習場を襲うウクライナ「…
  • 7
    裁判沙汰になった300年前の沈没船、残骸発見→最新調…
  • 8
    衝撃の暴露...トランプとプーチンの「黒い蜜月」・核…
  • 9
    国立科学博物館『鳥 ~ゲノム解析で解き明かす新しい…
  • 10
    ナチス・ドイツの遺物が屋根裏部屋に眠っていた...そ…
  • 1
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 2
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア兵の正面に「竜の歯」 夜間に何者かが設置か(クルスク州)
  • 3
    『シビル・ウォー』のテーマはアメリカの分断だと思っていたが......
  • 4
    目撃された真っ白な「謎のキツネ」? 専門家も驚くそ…
  • 5
    「メーガン・マークルのよう」...キャサリン妃の動画…
  • 6
    ウクライナ兵捕虜を処刑し始めたロシア軍。怖がらせ…
  • 7
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 8
    東京に逃げ、ホームレスになった親子。母は時々デパ…
  • 9
    ビタミンD、マルチビタミン、マグネシウム...サプリ…
  • 10
    性的人身売買で逮捕のショーン・コムズ...ジャスティ…
  • 1
    ベッツが語る大谷翔平の素顔「ショウは普通の男」「自由がないのは気の毒」「野球は超人的」
  • 2
    「地球が作り得る最大のハリケーン」が間もなくフロリダ上陸、「避難しなければ死ぬ」レベル
  • 3
    死亡リスクはロシア民族兵の4倍...ロシア軍に参加の北朝鮮兵による「ブリヤート特別大隊」を待つ激戦地
  • 4
    ウクライナに供与したF16がまた墜落?活躍する姿はど…
  • 5
    大破した車の写真も...FPVドローンから逃げるロシア…
  • 6
    漫画、アニメの「次」のコンテンツは中国もうらやむ…
  • 7
    ウクライナ軍、ドローンに続く「新兵器」と期待する…
  • 8
    エジプト「叫ぶ女性ミイラ」の謎解明...最新技術が明…
  • 9
    コストコの人気ケーキに驚きの発見...中に入っていた…
  • 10
    エコ意識が高過ぎ?...キャサリン妃の「予想外ファッ…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中