アイルランド母子施設で子供9000人死亡、発覚したきっかけは...
2021年1月18日(月)12時15分
西部ゴールウェイ州で発見された無縁墓地 CLODAGH KILCOYNE-REUTERS
<首相が謝罪する事態にまで発展。施設に入居していた母親の80%は18~29歳で、レイプの被害者もいた>
アイルランド各地で1998年まで運営されていた母子支援施設で約9000人の子供が死亡していたことが分かり、同国首相が謝罪する事態にまで発展している。
施設は未婚の母子家庭を救済する目的で政府や修道院が1920年代から運営し、未婚の母と子供の合わせて約11万人が暮らしていた。
1月12日発表の政府調査によると、母親が望まないまま子供が養子に出される慣行や、非倫理的なワクチン実験、心理上の虐待などが施設で横行していた。子供の死亡率は一般社会よりも極端に高かった。
マーティン首相は政府の全面的責任を認めて謝罪。アイルランドではカトリック教会の影響力が大きく、かつては婚外出産が蔑視されていた。施設に入居していた母親の80%は18~29歳で、レイプの被害者もいたという。
調査は西部ゴールウェイ州の修道院で子供が約800人埋葬された無縁墓地が発見されたことで始まった。政府は被害者への補償を行う方針だ。
<2021年1月26日号掲載>
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