イスラエルがシリア領内の「イランの民兵」を大規模爆撃、50人以上が死亡:米政権末期に繰り返される無謀
イスラエルによる大規模爆撃
こうしたなかで行われたのが、イスラエル軍による大規模爆撃だった。
SANAによると、爆撃は1月13日午前1時10分、イスラエル軍戦闘機によって開始され、これと前後してSNSやYouTubeでは、住民が撮影した爆撃の瞬間の映像が多数公開された。
— (@docshayji) January 13, 2021
— Hayvi Bouzo (@hayvibouzo) January 13, 2021
また、反体制系サイトのニダー・フラートはフェイスブックのアカウントを通じて、ダイル・ザウル市やブーカマール市の被害状況の写真を公開した。
シリア人権監視団や反体制系サイトのアイン・フラートによると、爆撃はブーカマール市一帯、ブーカマール市一帯、マヤーディーン市一帯に対して50回以上にわたって行われ、シリア軍、ヒズブッラー、ファーティミーユーン旅団などの「イランの民兵」の基地、拠点、武器弾薬ミサイル倉庫が標的となり、シリア人、イラク人、アフガニスタン人など少なくとも57人が死亡した。
シリア人権監視団やニダー・フラートによると、被害の詳細は以下の通りである;
※ダイル・ザウル市一帯:爆撃は16回で、ダイル・ザウル市の軍事情報局、サルダ山、パノラマ交差点、ブール・サイード地区のパン製造所、労働者住宅地区内の教育学部、放送塔、ダイル・ザウル空港一帯の拠点、アイヤーシュ村の武器弾薬ミサイル倉庫、ダイル・ザウル市南の第137旅団基地などが標的となり、シリア軍兵士10人、軍事治安局職員4人など26人が死亡。
※ブーカマール市一帯:爆撃は6回で、スィーバ地区、ビヤール・ハムル地区、スィヤール地区、ヒズブッラーが管理するアーイシャ病院、同市周辺に設置されたグリーン・ゾーン内のイラク人民動員隊など拠点、武器弾薬庫が標的となり、「イランの民兵」に所属するイラク人戦闘員15人が死亡。
※マヤーディーン市一帯:爆撃は2回で、マヤーディーン市のアラバ(ラフバ)の城塞、同市近郊の砂漠地帯の農場地区に設置されている拠点と武器庫が狙われ、ファーティミーユーン旅団戦闘員11人と身元不明の外国人(非シリア人)4人が死亡。
なお、シリア軍の発表では、死者は5人、米アラビア語衛星テレビ局のフッラ・チャンネルによると、シリア人7人を含む23人である。