コロナ禍の米国、慈善団体への寄付が異例の水準に
慈善団体ギビング・チューズデーの最高データ責任者ウッドロウ・ローゼンバウム氏は、「寄付の勢いは前例がないほどだ」と話している。
ローゼンバウム氏によれば、寄付の大半は少額であり、幅広い所得層の人々が寄付に力を入れている様子がうかがわれるという。
クラウドファンディングサイト「ゴーファンドミー」の広報担当者によれば、同サイトでのキャンペーンにおいて50ドル以下の寄付が全体に占める比率は、昨年の40%に対し、今年は約70%に増えたという。
「これまでよりはるかに集団的な動きになっているということだ」とローゼンバウム氏は言う。
今年発足したアメリカズ・フード・ファンドは、ゴーファンドミー上で4400万ドルを調達した。これは同サイトでのキャンペーンとして過去最高額である。米国郵政公社が長年行っている「オペレーション・サンタ」は、専用の宛先「北極」に手紙を送った困窮家庭と寄付者を結びつける仕組みだが、やはり前例がないほどの支援が集まったと報告している。
地元のコミュニティでの英語教育、相談員派遣、住宅支援を行うために2012年に発足した教会組織リバイブ・サウスジャージーでエグゼクティブ・ディレクターを務めるジョナサン・カミングズ氏によれば、同組織は支援対象家庭の多くが食品の購入に苦労していることを知り、2週に1度のペースで食糧配給を開始したが、ボランティアの登録人数が大幅に増大しているという。
寄付金額が前年の2倍、3分の1は寄付が初めて
地元の非営利団体を支援しているネブラスカ州の組織シェア・オマハが「施しの火曜日」の寄付金額を調査したところ、今年は2019年に比べ2倍近くに増加し300万ドルを超えた。3分の1は寄付が初めてという人からだったという。同グループが今年前半、ホームレスのための食品パッケージなどの業務にボランティアを募集したところ、これまでは月平均200人だったのに対し、700人もの応募があったという。
シェア・オマハのエグゼクティブ・ディレクター、マージョリー・マース氏は「たとえ失業し、あるいは一時解雇されていても、人々はコミュニティに恩を返したいと思っている」と語る。
クリスマス前の月曜日、ミシガン州ウォレンの駐車場で、フォーガットゥン・ハーベストによる食糧配給を夜明け前から待つ車の列にいた数百人のなかに、ジャネット・マッケイブさんがいた。
マッケイブさんと彼女の夫は最近失業し、食糧配給に頼っていた。このNPOによる食糧配給に通うようになって1カ月半ほどになる。
「ボランティアの人たちは素晴らしい」とマッケイブさんは言う。「彼らがいなかったら、どうすればいいのか分からない」
Jonnelle Marte(翻訳:エァクレーレン)
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