コロナ独自路線のスウェーデンが失敗、欠けていたのはロックダウンではなく......
2020年12月22日(火)18時15分
ロベーン首相とテグネルの発するメッセージの食い違いも、混乱に拍車を掛けた(憲法の規定により、公衆衛生庁は政権からの独立性が確保されている)。感染拡大が始まった頃は、公衆衛生庁が対策を取り仕切っていたが、政府の新型コロナ対策への批判が高まるようになると、政府は公衆衛生庁への相談なしに行動し始めた。
政府は11月半ば、公共の場での9人以上の集会を初めて禁止した。テグネルはこの措置について「公衆衛生庁が強く求めた措置では断じてない」と述べている。
スウェーデン政府の計画は、責任と引き換えに国民に自由を与えるというものだったが、責任ある行動の指針を明確に示すことができなかった。もし政府が明確な指針を示していれば、スウェーデンの新型コロナ対策は称賛こそされても、批判を浴びることはなかったかもしれない。
<2020年12月29日/2021年1月5日号掲載>
2024年11月26日号(11月19日発売)は「超解説 トランプ2.0」特集。電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること。[PLUS]驚きの閣僚リスト/分野別米投資ガイド
※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら
今、あなたにオススメ
WorldVoice
PICK UP
新着