英首相や米元大統領、安全性アピールのためテレビでコロナ・ワクチン接種か?
とはいえ、英政府はワクチン接種を受ける優先順位として、老人ホームの住人、医療従事者、高齢者、健康面で深刻な問題を抱えている人としている。そのためストラットン氏は、こうした人たちよりも先にジョンソン首相が接種を受けることはないとの考えを示した。さらに、94歳のエリザベス女王が受けるか否かによるとも加えた。
ただし、ロイター通信が女王のワクチン接種についてバッキンガム宮殿に問い合わせたところ、広報担当者は王室の医療に関する問題は伝統的に非公開であるとして回答を差し控えたという。
一方で英紙タイムズは6日、王室関係者の話として、女王とフィリップ殿下(99)がワクチンを受けた際には、「その事実を公表する」可能性があると報じた。王室のこの動きは反ワクチン運動への強力な対抗措置になるだろうと同紙はみている。
米でも元大統領らが公開接種に名乗り
米国でも似たような動きが見られる。米国でワクチンが承認された際には、その安全性を示すために、バラク・オバマ前大統領、ジョージ・W・ブッシュ元大統領、ビル・クリントン元大統領がテレビの前で接種すると名乗り出たのだ。
米CNNによると、オバマ前大統領はラジオ局シリウスXMに出演。米国では過去に、黒人男性を人体実験とした「タスキギー梅毒実験」が行われた歴史があり、黒人コミュニティの間では医療制度への不信感がぬぐい切れていない。
司会者のジョー・マディソン氏はこの実験に言及した上で、「あなたならワクチンを受けますか?」とオバマ氏に質問した。同氏は、「アンソニー・ファウチ(米国立アレルギー感染症研究所長)がこのワクチンを安全だというなら彼を信じる」と話した。
オバマ氏はさらに、「リスクが低い人が受けられる段階になったら自分も受ける」と話し、ワクチンの安全性を国民に示すためであれば、「テレビに出演または撮影してもらうかもしれない」と話した。
また、ブッシュおよびクリントン両元大統領も、自分が受けられる段階になったら、国民にワクチン接種を促すために喜んで「公開接種」を受けると側近を通じて意思を示しているという。