英首相や米元大統領、安全性アピールのためテレビでコロナ・ワクチン接種か?
新型コロナウイルスのワクチン接種を見守るジョンソン首相...... Frank Augstein/REUTERS
<イギリスで新型コロナウイルスのワクチン接種を開始した。安全性を示し接種を促す目的で、ライブ中継を行うテレビカメラを前に、ジョンソン首相自らが接種を受ける可能性が浮上している......>
英5人に1人は新型コロナ・ワクチンに懐疑的
英国政府は2日、米ファイザーと独ビオンテックが共同で開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認したが、8日にも接種を開始した。ボリス・ジョンソン首相は2日の記者会見で、「英国史上最大の規模となる集団接種」と表現した。
英政府は、ファイザーおよびビオンテックのワクチンを米国に先駆け世界で初めて承認し、接種を開始した。ファイザーによるとワクチンの有効性は90%以上だ。このワクチンはマイナス70度で保存しなければならず、効果を発揮するには、3週間開けて2度の接種が必要となる。英国は現在のところ2000万人分、4000万本のワクチンを注文している。
しかしワクチンの安全性に不安を抱く国民は少なくなく、反ワクチン運動も展開されている。
英調査会社ユーガブが3日、ファイザー/ビオンテック製のワクチンについて成人5351人を対象に行った調査では、「非常に安全だと思う」と答えた人は27%だった。「おそらく安全だと思う」と回答した人がもっとも多く、43%だった。とはいえ、「あまり安全とは思わない」(11%)と「まったく安全とは思わない」(9%)は合わせて20%となり、5人に1人はワクチンに懐疑的という結果になった。
ワクチン承認前の11月に英民放テレビ局ITVが行った同様の調査(成人2090人)では、接種が任意であった場合、受けないと回答した人は23%おり、まだ決めていないと答えた人は10%だった。受けないと回答したのは若い人たちが多く、18〜34歳では31%に上った。受けない理由としてもっとも多かったのが、「副作用があるかもしれないから」で44%。「製薬会社を信用していないから」と回答した人は31%だった。
首相が生中継でワクチン接種もあり?
こうした状況の中、いかにして国民にワクチン接種を受けてもらうかが課題となりそうだ。そこで、安全性を示し接種を促す目的で、ライブ中継を行うテレビカメラを前に、ジョンソン首相自らが接種を受ける可能性が浮上している。
ロイター通信によると、「首相はテレビの生中継でワクチン接種をするか」と記者から聞かれた首相報道官のアレグラ・ストラットン氏は2日、「本人に直接聞いたことはない」としながらも、「首相が拒否しそうな話ではないと思う」と答えた。