カマラ・ハリス副大統領誕生で南インドの小さな村がお祭り騒ぎ
インド南部の小さな村では爆竹が鳴らされ、お菓子が振る舞われた...... the guardian-YouTube
<バイデン氏の大統領当選と同時に副大統領就任が決まった民主党のカマラ・ハリス氏ゆかりのインド南部の小さな村では歓喜に沸いた......>
人格形成に影響与えた祖父が生まれた土地
米大統領選でジョー・バイデン氏が当選を確実にしたことを受けて、インド南部の小さな村スラセンドラプランは歓喜に沸いた。ここは、バイデン氏の大統領当選と同時に副大統領就任が決まった民主党のカマラ・ハリス氏ゆかりの地だ。
ハリス氏は、インド出身でがん研究者だった故シャマラ・ゴパラン氏を母親に、そしてジャマイカ出身でスタンフォード大学名誉教授の元経済学者ドナルド・ハリス氏を父親に持つ。両親が離婚して以降はシャマラさんが主に黒人コミュニティの中でハリス氏ら娘を育てたが、インドの親類との関係を強く保ち続けていたという。
インド南部に位置するタミル・ナドゥ州にあるスラセンドラプランは、各紙報道によると人口350人の小さな村だ。ハリス氏の祖父である故P.V.ゴパラン氏は、100年ほど前にこの場所で生まれたという。ハリス氏はこれまでもたびたび、インド政府に仕え、英国からの独立に尽力したゴパラン氏について公の場で口にしていた。
公務員を引退した祖父は、当時小さかったハリス氏の手を引いてチェンナイの海岸を散歩し、かつての同僚たちと民主主義の重要性や権利の平等などといった議論を交わしていた。ハリス氏は2018年、インドの非政府教育組織がニューヨークで行ったイベントでのスピーチでこのときの経験を振り返り、自分の人格形成において非常に大きな影響になったと話している。
まるでヒンズー教最大の祭り
大統領選の投票日だった11月3日以降、スラセンドラプランの人々は固唾をのんで結果を待っていた。ヒンズー教の寺院で祈り、神様の像に花を添えつつ、携帯電話で開票結果をチェックしていたという。
英紙ガーディアンによると、8日の朝になりジョー・バイデン氏当選の一報が報じられると、村では爆竹が鳴らされ、お菓子が振る舞われ、色とりどりの粉を使って女性たちは家の前に英語で「おめでとう、カマラ・ハリス。この村の誇り。ようこそ、アメリカ」などと書いていた。同紙は、ヒンズー教最大のお祭りディワリを1週間前倒しで祝っているかのような雰囲気だと報じた。
スラセンドラプランの中心的な寺院に来た、農業を営むレンガナタンさんはニューヨーク・タイムズ(NYT)に対し、「カマラはこの村の自慢。素晴らしい女性だしインスピレーションでもあります。彼女はこの土地の人なんです」と話した。
またスラセンドラプランのスダカル村議員はガーディアンに対し、「カマラ・ハリスはこの村の娘。子どもから年配者に至るまで私たちひとり一人が、米国副大統領として彼女が宣誓する日を心待ちにしている」と喜びを語った。