中国・青島市で冷凍食品から新型コロナウイルスが検出された
中国で冷凍食品の外装から活性状態の新型コロナウイルスが検出された...... REUTERS/Thomas Peter
<中国の山東省青島市で、冷凍食品の外装から活性状態の新型コロナウイルスが検出されたことが明らかになった。10月中旬に集団感染が発生しており、冷凍食品の外装に付着したウイルスが感染源である可能性が疑われている......>
冷凍タラの外装から感染力のある新型コロナ検出
中国の山東省青島市で、冷凍食品の外装から活性状態の新型コロナウイルスが検出されたことが明らかになった。いわゆる「コールドチェーン」(生鮮品などを低温に保ったままでの物流)の中でも新型コロナウイルスが生き延びられることを示唆している。
これまでは、食品そのものや食品の外装に付着した新型コロナウイルスから感染することはないとされていたが、青島市では10月中旬に集団感染が発生しており、冷凍食品の外装に付着したウイルスが感染源である可能性が疑われている。
英紙ガーディアンによると、中国疾病予防管理センター(中国CDC)は10月17日、青島市内で冷凍タラの外装から、活性状態の新型コロナウイルスが検出されたと発表した。冷凍タラがどこで作られたものかなどは分かっていない。
青島市では集団感染を受けて、900万人とも1100万人とも言われる規模で市民の感染テストを実施した。冷凍食品の外装から新型コロナウイルスが検出されたのも、この集団感染を調査していた一環だった。
ガーディアンによると、今回の集団感染により、青島市内では2カ月ぶりに感染者が出たことになる。感染源は港湾作業員2人と見られており、この2人から他の12人に感染が広がった。ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、作業員2人は外国から輸入された冷凍魚の積み荷降ろし作業をしており、これが感染の原因となった可能性が高いと中国当局は見ているようだ。
冷凍食品からウイルスの痕跡検出はこれまでも
WSJによると、中国では6月、北京で再感染が拡大した際に、生鮮市場で輸入サケを扱っていた業者のまな板から新型コロナウイルスが検出された。これを受けて当局は、生鮮品や冷凍の肉や魚を扱うスーパーや倉庫、ケータリング業者を中心に検査を行った。
こうしたこともあり中国当局は9月には、外国から中国の港に到着した肉や魚など50万サンプル以上を抜き取り検査したという。その際、冷凍食品──ロシア産のイカ、インドネシア産やノルウェー産の魚など──の外装から新型コロナウイルスの遺伝子の痕跡が検出された。しかし感染力を保った状態でウイルスが見つかったのは、今回の青島市のケースが初めてだとされている。