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新型コロナ感染、トランプはボリス・ジョンソン(重症)化するのか

Only State-of-the-Art Medicine—and Luck—Can Save Trump Now

2020年10月5日(月)18時00分
ローリー・ギャレット(米外交問題評議会グローバルヘルス担当シニアフェロー)

同じく大統領専属医だったロニー・ジャクソンは、現在テキサス州の下院第13選挙区の共和党候補だ。2017年に大統領の目に留まって以来、たいへんな恩恵を受けている。ホワイトハウスのスタッフとトランプの選挙スタッフは、ジャクソンを下院に送り込むための資金を集め、選挙運動への手助けも行っている。

2018年1月、当時アメリカ海軍少将だったジャクソンは、ウォルター・リード米軍医療センターで、トランプの最初で唯一の公式健康診断を行った。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、ジャクソンはトランプの健診後の記者会見で、トランプは「素晴らしい遺伝子」を持っていると述べ、認知テストでは素晴らしい成績だったこと、そして「過去20年、もっと健康にいい食生活を守っていたら、200歳まで生きることができただろう」と語った。その直後、トランプはジャクソンを退役軍人長官に指名したが、ジャクソンには医学的適応のない薬を士官に配った容疑が持ち上がり、結局は指名を辞退した。

長年のうちに、トランプの健康状態に関する秘密も少しずつ漏れてきている。トランプは男性型脱毛症治療薬プロベシアで脱毛と戦い、心臓発作を防ぐために毎日アスピリンを服用し、コレステロールを下げるスタチンや、時折頬に現れるできものを治療するための抗生物質テトラサイクリンを定期的に服用しているという。

歩行困難で再燃した健康不安説

ホワイトハウスの診療書によると、トランプは不眠症に対処するために、亜鉛、ビタミンD、メラトニンを常用し、消化性潰瘍の治療に用いられるヒスタミンブロッカー、ファモチジンのサプリメントを服用している。いずれも、太り過ぎた年配のアメリカ人男性にとってはごく普通のことだ。ただ、トランプは、そうしたレッテルを貼られないようにするためなら、どんな苦労も惜しまない。

今年は、ろれつの回らない演説と、明らかな歩行トラブルで健康不安が再燃した。6月に陸軍士官学校で演説をした後、トランプはスロープを下りる際におぼつかない足取りを見せた。また演説の間、水を飲むために持ったコップを片手で支え切れず、もう一方の手を添える動作をした。

6月14日に、トランプはスロープが「とても滑りやすかった」とツイートした。その後に行った集会での演説では、歓声を上げる群衆の前で、片手で水の入ったコップを持ち上げてみせた。

そして11カ月前の19年11月、トランプは予告なしにウォルター・リード米軍医療センターを訪れ、そこで2日間過ごした。トランプの主治医ショーン・コンリーは、2日間の医療訪問の理由を明らかにしなかったが、特定の心臓や神経系の症状の検査は受けていないと断言した。

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