最新記事
医療コロナ治療薬レムデジビル想定外の供給過剰 高価格で医療機関は重症患者のみに投与
米保健福祉省は、新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」について、国内の病院が7月以降、供給量の3分の2しか購入していないことを確認した。写真はレムデシビルのアンプル。独ハンブルグで4月代表撮影(2020年 ロイター)
米保健福祉省は11日、新型コロナウイルス治療薬「レムデシビル」について、国内の病院が7月以降、供給量の3分の2しか購入していないことを確認した。高額の同薬の必要性が薄れていることが背景にある。
ギリアド・サイエンシズが開発したレムデシビルは1回分の治療(6バイアル)が3120ドルと高額だ。一部の病院は冬の新型コロナ感染拡大に備えてレムデシビルを購入しているが、現在は重症患者への投与に限定していることもあり供給量は十分という。
米食品医薬局(FDA)はレムデシビルの柔軟な投与を認めたが、ロイターが聞き取り調査を行った8つの大規模病院のうち、6つは中等症の患者には用いていないと回答した。
ギリアドがレムデシビルの使用拡大を目指しているが、医療現場では不足が解消されたとみられる。
保健福祉省の報道官は、連邦政府が提案したレムデシビルの供給量のうち、7月6日から9月8日の間に州などが受け入れたのはおよそ72%だったことを確認した。病院が購入したのはこの3分の2にとどまった。
連邦政府によるレムデシビル供給は9月末で終了する。
【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・ハチに舌を刺された男性、自分の舌で窒息死
9月22日号(9月15日発売)は「誤解だらけの米中新冷戦」特集。「金持ち」中国との対立はソ連との冷戦とは違う。米中関係史で読み解く新冷戦の本質。