コロナ禍で迎えるハロウィーン 製菓メーカーは広告戦略に苦慮
ペンシルバニア州に本社を置くハーシーは、先月、利用者がハロウィーンで外出する可能性がどれほどあるか、検索内容に基づいて判断するデータの提供を受ける契約をグーグルと締結した。たとえば、近所の店の営業時間を調べたり、休暇を過ごすアイデアを検索する人は、外出する可能性が高いと見られる。
それが広告にはどう反映されるのか。ジョーンズさんのように休暇中も家に留まる人であれば、裏庭やリビングルームで、ゆらめく光のなかでキットカットやリーシーズ・ピーナッツバターカップを食べる人々の動画クリップをソーシャルメディアの広告で目にするだろう。
思い切って外に出ようという人が多い地域では、マスクをした子どもや大人たちが家々を回ってお菓子をねだる広告を見るかもしれない。
ハーシーの最高販売責任者フィル・スタンリー氏は、8月に行われたインタビューで「地理的にどういう状況になるかに基づいて、消費者に訴求する手法を毎週変えることができる」と語っている。
この動きは、残念な結果に終ったイースター商戦を踏まえ、米国の製菓企業がハロウィーンに向けてマーケティングやロジスティクス面で進めている多くの戦略変更の1つだ。
実店舗よりネット販売に期待
ハロウィーンは例年、製菓産業にとって売上高ベースでは最大のかき入れ時であり、クリスマス、イースター、バレンタインデーを中心とした時期を上回っている。ハーシーにとっても、年間約80億ドル(約9116億円)の売上高の1割を稼ぐのがハロウィーンの時期だ。
今年はオンライン販売の急増と「トリック・オア・トリート」参加の減少を予想して、ハーシー、モンデリーズ・インターナショナル、その他競合する製菓企業は、菓子の包装を縮小し、デジタルマーケティングへの支出を増やし、店舗のハロウィーン装飾を早めに開始し、実店舗の売上高減少を相殺しようとする小売企業向けに、ネットショップ用に確保しておく在庫を積み増しした。