コロナで「脱グローバル化」なんてあり得ない──は本当か?
他にも、アメリカ、新自由主義、サプライチェーン、エネルギー、観光業、中国企業、英語、都市、イスラム過激派と、さまざまなテーマを特集では設けたが、全体として見えてくるのは、グローバル化がまさに「多面的で複合的」であり、そしてどの業界・分野においてもコロナ禍の影響は大きいということかもしれない。
人と物の往来が途絶えたことで最も打撃を受けている業界の1つは、観光業だ。私たちはもう海外旅行に行けないのか。外国人が日本に観光に来ることはもうないのか。
『新・観光立国論』(東洋経済新報社)などの著書があるデービッド・アトキンソン(小西美術工藝社社長)は「コロナ禍においても、グローバル化は止まらず、観光は死なない」と述べつつ、日本の観光業が抱える問題については、こう指摘する。
「究極的には観光業の復活は検査に懸かっている」
検査とはPCR検査のこと。パンデミック(世界的大流行)までのここ数年、日本の観光政策は随分と是正され、成果を上げてきた――訪日客数の急増だけではない――のに、このままではコロナ禍を乗り越えられないとの見立てだ。
新型コロナウイルスによって、ひびが入った「グローバル化した世界」。現状をどう捉え、どのように対処していくかが、いま問われている。
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2020年9月1日号(8月25日発売)は「コロナと脱グローバル化 11の予測」特集。人と物の往来が止まり、このまま世界は閉じるのか――。11人の識者が占うグローバリズムの未来。デービッド・アトキンソン/細谷雄一/ウィリアム・ジェーンウェイ/河野真太郎...他