2月鉱工業生産は4カ月ぶり上昇、基調は弱く「一進一退」=経産省

3月31日、経済産業省が発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比2.5%上昇となった。写真は、京浜工業地帯にある工場で働く作業員。2011年5月、川崎市で撮影(2025年 ロイター/Toru Hanai)
Tetsushi Kajimoto
[東京 31日 ロイター] - 経済産業省が31日発表した2月鉱工業生産指数速報は前月比2.5%上昇となり、前月の1.1%の下落から反発し、4カ月ぶりにプラスに転じた。ロイターの事前予測調査の同2.3%上昇を上回った。設備投資関連の生産用機械に加え、電子部品デバイス、化学機械がけん引した。
生産予測指数は3月が前月比0.6%上昇、4月が同0.1%上昇となった。いずれも、生産用機械、化学工業、石油製品工業に支えられた。経産省は生産の基調判断を「一進一退」として据え置いた。昨年7月から8カ月連続で同表現を維持した。
経産省幹部は「生産は決して強くないが、海外経済の不確実性を反映した需要面の動向のため、上に抜けきれない状況が続いている」と述べた。
トランプ米大統領の関税政策の影響については、生産関連で何か影響を受けたとの声はまだ聞いていないものの、「今後はなお一層注視していく」とした。
日本、中国をはじめ貿易相手国との間で多額の貿易赤字を抱える米国は、トランプ大統領就任以降、自動車、銅、アルミニウムをはじめ幅広い輸入品に一律関税をかける意向を表明しており、貿易相手国に輸出を減らし、対米投資を加速させるよう促している。
ただ、米国の輸入品に課す関税は、完成品のみならず、部品などの調達コストを押し上げ、米国経済で高インフレが再燃し、世界経済に悪影響を与えると危惧する向きもある。
日本国内では、愛知県のばねメーカーで、3月6日に起きた爆発事故の影響で、自動車部品の供給不足が続いている。事故の影響は3月10日以降の生産計画に出てくる可能性があり、生産予測値についても幅をもって「なお注視する必要がある」と同幹部は指摘した。
*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。
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