インドネシア治安当局、NZ人殺害のパプア武装組織の拠点を急襲 約300人で激しい戦闘、パプア人司令官を銃殺
TPNPB側は抵抗激化を宣言
今回ヘンキ容疑者が殺害されたことを受けてTPNPBの報道官は地元メディアに対してSNSを通じて「今回の事態はインドネシア治安当局の我々への宣戦布告を意味する。司令官が1人殺されても我々には33人の司令官がおり、各司令官は約2500人のメンバーを率いている。我々はインドネシア治安部隊に必ず報復をする。負けることも降伏することもない」と武装闘争の激化を示唆した。
インドネシアの独立記念日だった17日、例年は首都ジャカルタの大統領官邸で盛大な記念式典が行われるが、今年はコロナウイルスの感染拡大防止の観点から式次も参列者も大幅に割愛、縮小して行われ、VIPもインターネット中継で参加した。
その映像の中にインドネシア各地で国旗に敬意を表する人々が映し出されたが、その中にはパプア地方で民族衣装を身に付けたパプア人たちの姿もあった。これはジョコ・ウィドド大統領がパプア問題を重視している姿勢の表れとともに「パプアもインドネシアの一部である」とのメッセージであり「独立も独立運動も認めない」との強い姿勢を改めて表明したものと受け止められている。
[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)
PanAsiaNews所属 1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など
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