インドネシア治安当局、NZ人殺害のパプア武装組織の拠点を急襲 約300人で激しい戦闘、パプア人司令官を銃殺
TPNPB襲撃作戦に参加した兵士たち jawapostv official / YouTube
<世界有数の鉱山で起きた武装組織による襲撃事件。当局は組織をパプア独立運動とは関連付けないというがその訳は──>
インドネシアの東端に位置するパプア州の州警察本部長が8月17日、州都ジャヤプラで記者会見して、今年3月に同州で発生したニュージーランド人殺害事件を実行した組織の拠点を治安部隊が攻撃。同組織の地域司令官を殺害したことを明らかにした。
パプア州警察のパウルス・ワタルパウ本部長は記者会見で16日に同州南部ミミカ県にある武装組織「西パプア民族解放軍(TPNPB)」の拠点に対する作戦を実施したという。
作戦には警察官196人、陸軍兵士92人が重武装で参加し、拠点を攻撃して激しい銃撃戦となったという。
この作戦で武装組織のパプア人1人が死亡し、3人が負傷したものの3人とも付近のジャングルに逃げたため身柄の拘束には至らなかったという。
死亡したパプア人の身元について以前に逮捕したTPNPBのメンバーから提供された写真などから、同組織の地域司令官の一人で行方を探していたヘンキ・ワンマング(別名ヘンドリック)容疑者であることが確認されたと州警察は発表した。
3月の鉱山襲撃事件の実行組織
3月30日に同州ミミカ県にある米資本「フリーポート・マクマホン社」とインドネシアの鉱山開発会社「フリーポート社」が共同で開発している世界有数の金・銅鉱山「グラスベルグ鉱山」の事務所、従業員住宅地区が襲撃され、ニュージーランド人のグラエム・トーマス・ウォール氏(57)が殺害され、インドネシア人従業員2人が負傷する事件が起きた(関連記事:「武装組織襲撃で外国人含む3人死傷 独立運動で治安悪化が続くインドネシア・パプア」)。
TPNPBはこの襲撃事件直後に犯行声明を出しており、治安当局のその後の捜査などからTPNPB内にある複数の組織のうちヘンキ容疑者が率いるグループが関わっていたとの疑いを強め、同グループ司令官であるヘンキ容疑者とその仲間の捜索を続けていた。
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