迷走続く米国の新型コロナウイルス対策 世界経済に最大のリスク
カナダとメキシコ
IMFは、今年の米経済がマイナス6.6%成長になると予想している。しかし国境を接するカナダ銀行(中央銀行)が予想する米経済成長率はマイナス8.1%と、もっと悲観的だ。
感染症がさらに拡大して成長率見通しが一段と悪化すれば、カナダ経済を直撃するだろう。対米輸出は同国の輸出の約4分の3を占める。
米国の南で国境を接するメキシコでも、新型コロナの感染者数が記録的な勢いで伸びている。しかし、ロペスオブラドール大統領は、米国の数字を引き合いに出して自国の対応への批判をかわしてきた。
メキシコ経済は今年、10%かそれ以上のマイナス成長が予想されている。
大統領は、今月1日に発効したUSMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)によって貿易と投資に弾みがつくと期待するが、経済見通しを巡る悲観論が広がっている。
米大手民間調査機関コンファレンス・ボード(CB)のシニアエコノミスト、エリザベス・クロフット氏は、米国で失業が増えて所得が減れば、世界的に消費に悪影響が及ぶと指摘。「1歩進んで2歩下がる」状態だと語った。
(Howard Schneider記者)
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