コロナの経済損失を補填「パンデミック保険」続々誕生 都市封鎖の売上減もカバー
カスタムメード
企業はパンデミックが起こった際の影響に目覚めてから日が浅いため、新しい保険商品の一部はカスタムメードにならざるを得ない。
米カリフォルニア州のエリート・リスク・インシュアランスは5月から、2度目の事業閉鎖を迫られた企業向けの保険を提供している。
創業者のジェフ・クライド氏によると、この保険は個々の企業に合わせて設計され、保険金が支払われるのは一定の条件を満たした場合だけだ。
例えば、映画製作やテレビ番組制作の会社のケースでは、出演者が感染して撮影中止に追い込まれた場合に保険金が支払われる。レストラン向けに家畜を育てている顧客だと、飼料が入手不可能になった場合に当たる。
こうした保険の保険料は、安くはない。保険金100万ドルの商品で、保険料は約8万─10万ドルだ。
「保険料計算の基となる過去事例が存在しないリスクをカバーするため、保険料は高い」とクライド氏は説明した。
また、イタリアの保険大手・ゼネラリ傘下のヨーロッパ・アシスタンスは3月、病院から退院した新型コロナ患者に対し、通常の医療保険に加えて医療支援、金銭的支援、オンラインの相談などの提供を始めた。直後、わずか2週間で150万件の契約を獲得し、欧米での契約者数は、現時点で約300万人だ。
企業の従業員報酬や、健康保険制度の変化に対応しようとする保険会社もある。関係者らによると、何百万人もの会社員がしばらく在宅勤務を続ける見通しとなった今、一部のアジア大手保険会社はそれを考慮した保険を準備している。
少なくとも日本の保険会社1社は、在宅勤務中の負傷をカバーする保険の策定に取りかかったという。
香港駐在の欧州系保険会社の幹部は「今後何年間も、在宅勤務がニューノーマル(新しい常態)となるだろう。家で負傷することも考えれば、現在の従業員補償スキームの対象範囲は、無意味になりそうだ」と語った。
Noor Zainab Hussain
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