米大統領選を争うトランプとバイデン 人種問題と刑事司法で姿勢は対照的
司法改革
トランプ氏は2018年、薬物犯罪の量刑を軽くし、刑務所での中毒治療プログラムを拡大、品行の良い受刑者の刑期短縮を認める超党派の刑事司法制度改革法案に署名した。
トランプ氏は連邦死刑囚への刑執行再開を求めることなど、犯罪対処の厳格化を支持してきた。こうした政策はマイノリティー層に特に影響する。
バイデン氏は死刑と独房監禁、保釈金を払わなければ容疑者が収監される制度の廃止を求める。量刑を短縮し、その代わりに非識字や児童虐待などを減らすため州政府に200億ドルを拠出することを約束している。
教育と経済
トランプ氏は自分の人種政策について話す際、新型コロナ危機前に黒人の失業率が記録的な低水準になったことをしばしば売り込む。
バイデン氏は、賃金差別の訴訟を起こしやすくする法律を呼び掛けてきた。融資や住宅問題で人種差別をしない新たな保護策を作ろうとしており、居住地からの人種的な排除を許す規則を減らしたり、新型コロナの死者が黒人層に偏る問題を解決する作業部会を設置したりすることを提唱。そうした取り組みをする自治体に3億ドルを助成する方針だ。
トランプ、バイデン両氏とも、歴史的に黒人系の大学への支援を主張する。トランプ氏は、こうした大学への資金援助を恒久化したり増額したりするための2億5500万ドルの連邦支出計画に署名した。トランプ政権は、こうした黒人系大学の奨学金や研究事業への資金を増やす法制化もしたと訴えている。
一方で、バイデン氏は公立大学の大半の学生の授業料を無料にすることを計画しているが、対象には公立の黒人系大学も含める。研究機関設置や授業料援助を開始した学校にも、計700億ドル超を投じる方針だ。
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