RIP木村花 ネットの悪質コメント、日米韓それぞれの対応
「誹謗中傷も有名税」と片付けられてきたのはもう止めるべきだ。
<見ず知らずの相手からの罵詈雑言に私たちはどう対応すればいいのか──>
2020年5月23日、人気リアリティー番組『TERRACE HOUSE TOKYO 2019-2020』に出演中だった女子プロレスラー木村花さんが、22歳という若さでこの世を去った。自宅のリビングに遺書とみられる書置きがあり、本人のSNSには「さようなら」「愛されたかった人生でした」などの投稿があったことから自殺とみられている。生前、彼女のSNSにはアンチからの誹謗中傷コメントが1日100件以上も届き、そのことに悩まされ追い込まれた末の自殺ではないかと推測される。
『TERRACE HOUSE』は、2012年10月から放送が開始され、2015年には映画化もされている人気番組だった。6人の男女の共同生活を追ったリアリティー番組で、放送開始当時シェアハウスブームが起こり始めていたため、さらに注目を集めた。現在はネットフリックスとフジテレビ・オンデマンドで放送されており、世界190カ国に配信中だ。2018年には、アメリカTIME誌が「2018年のベスト番組ベスト10」の1つに『TERRACE HOUSE』を選び話題を呼んだ。
世界に広がった「#RIPHanaKimura」
ネットフリックスを通じ、世界各国に配信されていたこともあり、木村花さんの死は、BBCやワシントンポスト等、海外のメディアも大きく報じた。フランスでは、ル・パリジャンやル・モンドが「カリスマ的レスラーの死」と大きく報道するとともに、今世界中で深刻化するネット被害についても紹介している。
また、Twitterでは#RIPHanaKimuraのハッシュタグに、死を惜しむ各国のファンのコメントがあふれた。このハッシュタグは、アメリカで一時トレンドワードの1位になるほど多くの人たちが木村花さんを悼んだ。
また、日本の芸能人達も声を上げ始め、SNSや番組を通し、誹謗中傷書き込みがどれだけ人を傷つけるかについて、実体験を含め発信し始めている。25日には菅官房長官が定例会見で、追悼の言葉と共に「SNSのリテラシー向上のための啓発を行うことが重要」と話している。
今回の木村花さんのような、誹謗中傷を苦に自殺に追い込まれる悲劇を二度と起こさないためにも、既に対策に取り掛かっている韓国やアメリカの対処法を調べてみた。