韓国、新型コロナ対応で公務員からサムスンまで「ステイホーム試験」
受験者自らWebカメラで撮影しカンニング防止
今回サムスンのオンライン試験では、試験4日前に各受験者による試験サイトへの事前アクセスチェックが行われた。グループでのカンニングが行われないように、各受験者ごとに離れた場所からアクセスしているか確認され、試験日当日に事前チェックの時と同じ場所からアクセスしていなければ不正とみなされる。
また、受験者は自分の顔や手、PCモニター、マウスなどを撮影しなければならず、その映像を監視員が遠隔で随時監視している。さらに、スマートフォンでの不正も見逃すまいと、試験中はサムスン側のシステムと連動させた後、郵送で別途送られてきた台の上に置いておかなければならない仕組みだ。ここまで入念な不正防止を行うことで、無事入社試験は終了したという。
大学入試もオンライン試験か?
今、韓国の受験生の中では、新型コロナの影響で11月19日から12月3日に延期された大学修学能力試験(日本でいう大学センター試験)も、オンライン受験の可能性があるのではないかという噂がささやかれている。
6月10日時点で、自宅隔離を余儀なくされている韓国全国の高校生は約102名だ(このうち、今年の大学修学能力試験対象である高校3年生は約50名)。このままワクチンや特効薬が世に出回らないままだと、自宅隔離受験は十分あり得る話だという。そうなると、また不公平論争が巻き起こる可能性が高いだろう。
これからは、試験に限らずさまざまなことがウィズ・コロナとして、これまで想定したことのない事態に対応しなければならない世界となっていくだろう。前例がないことに立ち向かうとき、いかに柔軟な考えやアイディアが実現できるかが勝負の決め手になる。
韓国は、これまでにも独創的なアイデアで新型コロナ感染拡大の抑え込みを成功させてきただけに、これから起こるであろう様々な問題への対処方法には注目していきたい。
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