韓国、新型コロナ対応で公務員からサムスンまで「ステイホーム試験」
救済措置に不公平とのクレームも
ところが、他の未感染受験者からすると、20~30人が1部屋で緊張状態で受ける試験と、たとえ監視員たちがいたとしても、自宅でリラックスして受ける試験は違うはず。これは不公平だという声が上がった。
公務員試験に臨む人々の情報交換場所となっているオンラインコミュニティーサイトでは、この対応策が政府から発表された直後から反対意見が多く寄せられ、中には「それならいっそのこと、自分もコロナに感染したい!」などという意見もあった。
また、韓国大統領府の公式サイトに設置され、国民が要望を投稿できる国民請願掲示板には、新型コロナウイルス感染拡大がひとまず落ち着くまで、公務員試験の試験延期を求める声も投稿されていた。
1人の受験者のために中学校舎貸し切り
注目を集めた今年の試験だったが、13日朝10時から韓国内700カ所で100分間、公務員試験が実施され、事前に自宅隔離状況を申請した3名に特別処置対応がとられることとなった。慶尙北道地方では、自宅隔離者1名のために廃校になった元中学校校舎を貸し切りにし、教室1部屋を1人で使う方法で受験できるように対処したという。
慶尙北道は「この受験者は、陰性判定が出ていたが、14日間の隔離期間まで数日残っていたため、万が一の事を考え廃校での受験対応を取った」としている。このほかに、京畿道の地方公務員受験者1名と、仁川市の教育省公務員受験者1名は、事前に政府がアナウンスしたように、自宅での受験が行われた。
試験数日前の突然の発表に一部から混乱する声が上がったが、実は自宅での公務員受験に前例がなかったわけではない。2015年6月27日中東呼吸器症候群(MERS)の感染拡大が心配されるなかで行われた公務員試験では、計5名が自宅隔離で試験を受けていた。このときも、今回同様、警察や看護師ら4名1組体勢で自宅での受験生の監督が行われたという。
公務員試験以外でも、新型コロナの影響で入社試験を自宅試験に切り替えた企業が存在する。韓国を代表する大企業であるサムスン電子だ。
サムスンは、大学生の就職希望先として圧倒的な人気があり、入社試験も「サムスン職務適性検査(Global Samsung Aptitude Test)」という名称で毎年10万人が受験しニュースに取り上げられるほどだ。その試験が今年は新型コロナの感染予防のため、5月30・31日の午前と午後計4回に分けて、受験者の各自宅で行われた。
しかし、ここで問題となったのが、カンニングへの防止対策だ。
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