キスは1日1度だけ、ラブシーンはCGで? 「ウイズコロナ」の映画やドラマはこう変わる
日本以外の国では、撮影再開に当たりどのような撮影方式がとられているのだろうか? ここ最近、世界から注目を浴びている韓国映画界。日本との大きな違いは、全ての撮影や作業がストップされなかったという点だった。各自気を付けながら、一部の現場をのぞいては作業が続けられた。
一方で、韓国映画振興委員会(KOFIC)の動きは早く、映画館等への金銭的サポートはもちろん、先月からはコロナの影響で金銭的負担を強いられた映画に対して計20億ウォンを分配するとの発表もされている。
感染拡大する韓国で撮影していた日本の映画人
今回は日頃から日韓の映画界で助監督として働く藤本信介氏に話を聞いた。藤本氏は2月22日から日韓の往来が難しくなった3月25日まで、新型コロナの感染が拡大するなか日韓合作作品の撮影現場にいたという。
── 撮影現場でも感染対策の基本は換気、手洗、距離を取ることだと思うが、他に特徴的な項目は?
基本のみという印象です。そもそも韓国はコロナで全ストップしていなかった。撮影現場では、思っていたほどにはちゃんとやってない印象だった。撮影中はそれどころじゃなく毎日忙しいから気にしていられないという側面もある。ただ、国からのサポートがあり、KOFICからは消毒費用などの負担が行われている。
── 日韓のガイドラインの違いがあれば
日本のガイドラインの方が、韓国に比べてよりディテールまで示されている印象。それはきっと各放送局や制作部署が独自で決めたところが大きい。現場で活躍する人たちの声を取り入れている具体性が感じられる。きっと、日本は全部署が一旦ストップし、再開に向けてスタッフやキャストを安心させるためにも、より詳細に示す必要があったのかもしれない。韓国は全ストップをしなかったために、様子を見ながら各現場で柔軟に対応した印象があります。
── 今後ポストコロナで日韓の映画交流、合作はどうなるだろうか?
今後いつ渡航出来るか分からない状況のなか、日韓合作の企画自体が全て休止や中止されている状態だろう。渡航問題が解消されても、世間の目もあるため当分は難しいと思われる。
── 映画人向けの休業補償などは韓国に存在するのか?
韓国にもあることはあるが、審査が日本よりも難しい印象です。知り合いの韓国人スタッフにも話を聞いたが保証制度があること自体知らない人もいた。撮影が全ストップしなかったこともあると思う。
── コロナのパンデミックを経験して思ったことは?
映画を通した人と人との交流の機会がなくなることが悲しい。1日も早く日韓でのプロジェクトや、キャスト・スタッフが海を越えて一緒に手を取り合って撮影できる日が来ることを願っている。