ドイツ人 マスク嫌いすぎで小売業がピンチ
また、ルールに従わない輩はどこでもいる。ベルリンのカフェ・ベーカリーではマスクをしない客に口頭で注意してきたが、そのたびに逆ギレ、さらにはウェイトレスの女性に対する脅しまであった。耐えかねた店長が、張り紙で「私は悲しい」と、顧客に常識ある行動を訴えるに至った。顧客への張り紙は日本では見慣れた光景だが、ドイツでは珍しい。
トイレットペーパーのその後
一方、新型コロナ危機初期に世界中で買い占め騒動が起こったトイレットペーパーは、その後どうなったのだろう。ドイツでも「ハムスター買い」により買い占めが起こり、一部で顧客同士の喧嘩などもあった。一時は店頭から完全に姿を消し、オンラインでも購入不可能な状態となったが、そのトイレットペーパーも、4月末から5月中旬の売上は前年比33%〜38%まで落ち込んだ。それ以前も4〜22%のマイナスだった(ウェルト)。
原因の1つは、ロックダウン中のレストランや大型娯楽施設、会社などの閉鎖のようだ。これらの施設で使用されるトイレットペーパーは特殊な形状ものが多く、家庭用に切り替えることは難しい。これらのペーパーの製造業者の従業員は現在時短勤務を余儀なくされている。
また一般的なトイレットペーパーについては、どの家庭も3月に買い占めたぶんがまだまだ残っている状態のようだ。一時は売上が前年の2倍にもなり、製造業者はぎりぎりまで稼働して生産量を増やしたが、現在は在庫過多になってしまった。
経済の立ち上げが始まり、人々が日常を徐々に取り戻すように見えるなか、パンデミックの歪みはまだ至るところに残されている。