中国・全人代、初の民法典を可決 同性カップルの居住権に「救いの手」
進歩、だが心配も
しかし、「居住権」の実際の運用を巡っては、実際に機能するのかどうか懸念が残る。
2021年1月1日に発効する民法典は、憲法の次に強い法的効力を持つが、その性質は概括的だ。このため中央政府の司法当局が後日、地方当局の司法官に執行の指針を示すことになっている。
同性カップルは「居住権」に守られる、と指針に明記されるかどうかは不明で、文言が曖昧な場合には無視する地方当局が出てくるかもしれない。
不動産法を専門とする弁護士、ヤン・ジャンウェイ氏は「同性カップルの所有権が守られるかどうかは、予断を許さない」と言う。
それでも中国のLGBTコミュニティーの一員である広州市のペン・ヤンフイさん(36)は今のところ、民法典の成立に興奮している。
地元生まれの彼は、パートナーのヤン・イーさん(31)のことが心配だ。
ヤンさんは、2人が住む50平方メートルの市内アパートで頭金を全部出してくれるなど、かかった費用をほとんど負担してくれたが、甘粛省出身なので制度上、共同所有ができない。
共同生活は至福だと言うペンさん。「だけど非常に危なっかしくもある。アパートは僕のもので、僕に何かあれば法的には所有権は僕の両親に行く」。ペンさんが自身の性的指向について両親と話をしたことはない。
ペンさんによると、民法典の成立は進歩だが、LGBTコミュニティーにとって究極の目標は、同性カップルにも中国の法律上、結婚の法規が適用されることだ。「どんな司法官でも結婚と言えば意味は分かる。それなら説明は不要だ」

【関連記事】
・東京都、新型コロナウイルス新規感染28人 4日連続で2桁台
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・イギリス、新型コロナ死者5万人突破 世界で2番目の多さ
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...

アマゾンに飛びます
2020年6月9日号(6月2日発売)は「検証:日本モデル」特集。新型コロナで日本のやり方は正しかったのか? 感染症の専門家と考えるパンデミック対策。特別寄稿 西浦博・北大教授:「8割おじさん」の数理モデル