韓国、極限の修行強要する教会 奴隷となった信者が見たものは
信者たちはSNSで反撃キャンペーン
興味深いことに、この「光と真理教会」信者の特徴として、平均年齢が若いことがあげられる。そのためか、現信者たちによる教会の無実を訴えるパフォーマンスはネットを通じて行われている。例えば、Twitterに「#光と真理教会を助けてください(빛과진리교회를살려주세요)」のハッシュタグを作って発信したり、「わい曲ストップ」と書かれたプラカードを持って写真を撮り、信者たちが次々にオンラインにアップするキャンペーンを行うなど、今どきの作戦がとられている。
もちろん、「リーダーシップ訓練」でもリーダーから指示は、KakaoTalkを通じて行われ、人糞を食べた女性は、食べる一連の様子を自撮り撮影をしてリーダーに報告するなど、リモートで指示から結果報告までがおこなわれていたことも、IT大国と呼ばれる韓国ならではだと言える。
代表の牧師は自身の関与を否定するが──
MBCの人気番組による告発放送もあって、一気に注目を集めたこの事件は、ソウル北部地検に訴状が受付されおり、現在東大門警察署に捜査指揮が移っている。警察では21人にも上る情報提供者の事情聴取も行われた。
さらに、この調書を踏まえて警察は5月12日教会の関連施設10カ所を4時間かけて家宅捜索し、キム牧師を含む教会関係者3名が海外逃亡しないよう、国外出国禁止令を出した。
警察は5月末、キム牧師を警察に呼び調査を行ったが、本人は「チーム長が各信者に指示していたため、自分は知らなかった」と自らの責任を否定する姿勢を貫いている。警察は各訓練の担当者とこの牧師を再度警察に呼んで、調査を引き続き行っていく予定だという。
現代のような混沌とした世の中、人々は何かにすがろうと必死になっているのだろう。それが信仰に走ってしまう気持ちもわからなくもない。しかし、だからと言って何をしてもいいわけではない。「信仰心を試すために」「神様のために」などと言葉巧みに誘導してくる人たちから利用されないためにも、冷静な目をもつことを忘れてはならない。