韓国、極限の修行強要する教会 奴隷となった信者が見たものは
れっきとしたキリスト教の教会
光と真理教会は、韓国キリスト教長老会平壌老會所属の教会として1995年に牧師キム・ミョンジンが設立した。当初は、アパートの半地下スペースを利用したごく小さな街の教会だったという。その後、何度か移転を繰り返すうちに徐々に大きくなっていき、現在2000人の信者を抱えている。
今回問題視されているリーダーシップ訓練とは、教会内のピラミッド式階級制度で、元信者によると一般信者2000人からリーダーになれるのは200人。リーダーになることはレベルアップを意味し、階級が上がれば上がるほどキム牧師に近づける存在なのだと言う。信者たちはこのリーダーになるべく過酷な訓練にも積極的に挑戦していた。
過去にも事故を起こしていた訓練
非人道的ともいえる訓練では、危険な目にあった人や、その後後遺症で苦しんでいる人も多い。2010年に「1日2時間の睡眠しかとらない」訓練を数日続け、意識不明で倒れた女性は、すぐに救急車を呼んでもらえず、その後脳内出血と診断され、今も一人で歩くことが困難な状態だ。また、2016年には「100度のサウナに入ってどれだけ我慢できるか競う」訓練をしていた男性が、全身やけど状態でサウナから助け出された事故も起きている。
このリーダーシップ訓練は、6カ月内に29項目をクリアしなければいけないという。リーダーになりたい信者は訓練内容を逐一リーダーに報告して教えを仰いでいた。軽い訓練ばかりやっていると、リーダーから注意を受けることもある。自分の便を食べることを強制された女性は、証拠としてその時のKakaoTalkでの会話をキャプチャーして提出している。
告発された教会側は、リーダーシップ訓練が行われていたことや、それが過酷であることも認めているが、あくまでも「信者が自発的に行った」として、「強制したわけではない」と強調している。さらに、報道内容は全てマスコミによってわい曲された内容であると訴えている。また、韓国大統領府のホームページに設置された国民の要望を投稿する掲示板「国民請願」に「光と真理教会の声を聴いてください」と書き込み。あくまで無実だという主張を広めるために必死だ。