フェイスブックのザッカーバーグ、倫理観の欠如に社内外から批判噴出
Zuckerburg Backlash over Trump Post Continues as Moderators Criticize CEO
これに対して、4人の匿名現役従業員を含むモデレーターたちは「フェイスブックはもっと優れた役割が果たせるはずだ」と反論。「トランプの『略奪と銃撃』の論調について、ザッカーバーグが個人的に失望を表明するだけでは不十分だ。従業員の多くが、この投稿は暴力を煽る投稿を禁止するフェイスブックの内規に違反していると認識している。投稿に『ニュース性がある』という理由は納得できない」と書いた。
また公開書簡は、トランプは自分のしていることをよく分かっているはずだとし、次のように指摘した。
「トランプという政治家の発言については、これまで前代未聞の『善意の解釈』がなされてきた。それがその言葉を絶対的なものにする効果を生んでいる。これは、白人至上主義や国家による暴力を正当化する究極のやり方かもしれない」
3日には、フェイスブックの「創生期の従業員」数十人が公開書簡を発表し、トランプの投稿を削除しなかったザッカーバーグの判断は、同社の元来の理念に対する「裏切り」だと批判した。
続く6日には、200人を超える専門家が連名で公開書簡を発表。トランプが「誤った情報や扇動的な言葉」を広めるのを許したと、フェイスブックの幹部を厳しく非難した。
ザッカーバーグはその前日、自らのフェイスブック・アカウントへの投稿で、内規の見直しを表明した。彼は次のように書いている。「警察や軍による過剰な暴力については、この国の歴史を踏まえると、特別な配慮が必要だ」
(翻訳:森美歩)
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