最新記事

パンデミック

中南米の新型コロナ拡大、死者10万人突破 メキシコとブラジルが深刻

2020年6月24日(水)15時11分

ロイターの集計によると、中南米の新型コロナウイルス感染症による死者が23日、10万人を超えた。写真は6月2日、コロンビアのボゴタで撮影(2020年 ロイター/Luisa Gonzalez)

ロイターの集計によると、中南米の新型コロナウイルス感染症による死者が23日、10万人を超えた。欧州や一部のアジア諸国では流行が下火になっているが、中南米では感染が急拡大しており、収束の兆しは見えない。

ブラジルで新たに確認された死者は1374人、新規感染者は3万9436人に上った。死者の累計は5万2000人、感染者は110万人を超えている。累計死者数が5万人を超えている国は、現時点で米国とブラジルのみだ。

メキシコ保健省によると、23日の同国の新規感染者は6288人で、793人の死亡が確認された。1日あたりの新規感染者数は過去最多で累計感染者数は19万1410人に、死者数は2万3377人に達した。

中米の他の国でも感染は拡大しつつある。グアテマラの新規感染者は初めて700人を上回り、死者は35人増え、582人となった。

専門家からは、検査体制が十分でないことから、感染の実態ははるかに深刻との指摘が出ている。死者数が発表しているより多いと認める当局者も多い。

メキシコの感染対策チームの責任者は、新型コロナとの戦いは長期戦になるとの認識を示し、防疫措置を新常態として適応しなければならないと指摘した。

域内の多くの国が、不十分な医療制度や貧困の問題を抱え、検疫も思うように進まない。域内の主要国であるブラジルとメキシコの指導者は新型コロナの脅威を軽視し、流行が収まらないうちに経済活動を再開させた。

ブラジルの裁判所は23日、ボルソナロ大統領に対し、公共の場でマスクを着用するよう命じた。大統領がマスクを着用せずに政治集会に出席したことを受けた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【関連記事】
・スウェーデンが「集団免疫戦略」を後悔? 感染率、死亡率で世界最悪レベル
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・東京都、新型コロナウイルス新規感染31人を確認 6日連続で20人超え
・韓国、日本製品不買運動はどこへ? ニンテンドー「どうぶつの森」大ヒットが示すご都合主義.


20200630issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2020年6月30日号(6月23日発売)は「中国マスク外交」特集。アメリカの隙を突いて世界で影響力を拡大。コロナ危機で焼け太りする中国の勝算と誤算は? 世界秩序の転換点になるのか?

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中韓が米関税へ共同対応で合意と中国国営メディアが

ワールド

ロシアと米国は関係正常化に向け一歩踏み出した=中国

ビジネス

午前の日経平均は反発、自律反発期待の買い 米関税警

ビジネス

自民党財政改革検討本部が初会合、骨太健全化目標議論
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中