自粛警察、梨泰院クラブ、セレブのSTAY HOME 新型コロナが暴く日米韓の国民性
新型コロナ対策の規制緩和直後にクラスター発生が明るみになった韓国ソウル市の梨泰院にあるクラブ KBS News / YouTube
<外出自粛の長期化で普段は目立たない、気にすることのない国民性が明らかに>
日本では新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が延長されるなか、最近ネットでは「自粛警察」という言葉が登場した。これまで日本は、海外に比べると自粛も比較的緩やかムードだったが、それがここ数週間で一転してしまったように見える。
SNS上で今営業しているお店を非難したり、外出した人の名前をさらして炎上させたり、実際の店舗に脅迫めいた張り紙などで嫌がらせをしたり、県外ナンバーの車にいたずらをするなど、度を越した「自粛警察」の正義感には問題視する声も高まっている。
一度同じ方向を向くと決めたら、それ以外の人を皆で非難して統一しようとする国民性は、良し悪しはともかく、とても日本らしい傾向だと感じてしまった。
それでは他の国では一体どのような動きがあるのだろうか。
規制緩和→クラスター→営業停止、めまぐるしい韓国
今回の新型コロナのパンデミックで、様々なアイデアによる感染抑え込みで、世界から注目を集めた韓国。6日からは外出自粛緩和が発表されたが、8日には梨泰院にあるクラブで12人のクラスター発生が明らかになった。
情熱的な国民性をもつ韓国人は、抑制されるとその後に反動で爆発してしまう傾向がある。問題になったクラブは、実はまだ外出自粛が緩和される前から営業が行われ、1500人あまりの客が出入りしていたが、その大半はマスクをしていなかったという。
しかし、ここでも韓国は動きが早かった。ソウル市はすぐにこの感染源とされる男性の4月30日からの足取りを数分単位で克明に記録した行動一覧を公表、国民に注意を呼び掛けた。さらに、韓国政府は8日の午後8時から全国のクラブに1カ月の営業自粛を要請。9日午後にはパク・ウォンスンソウル市長が緊急会見でクラブを始めとした娯楽施設に「集合禁止命令」を発令、事実上の営業停止を命じた。
このフットワークの軽さは、韓国人のもう一つの国民性と言われる「パルリパルリ(=早く早く)精神」に繋がっている。韓国人はせっかちな人が多く、日韓の合同作業や交渉などをしていると特に感じることだが、トラブル回避のための慎重さよりも、プロジェクト達成のためとりあえずやってみる、という行動派が多い。パルリパルリ精神は、今回の新型コロナウイルスへの感染対処ではいい方向へ転がりを見せたのではないだろうか。
そんな韓国でも、自粛警察のような動きが無いわけではない。日本と違うのは、それが有名人に向けた取り締まりが多いことだろう。
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