最新記事
米中関係トランプ「中国のコロナ対応は、米大統領選で私を敗北させるため」

トランプ米大統領(写真)は29日、新型コロナウイルス感染拡大への中国の対応は同国が2020年の米大統領選で自身を敗北させるために「何でもやる」ことを示していると述べた。(2020年 ロイター/Carlos Barria)
トランプ米大統領は29日、大統領執務室でロイターのインタビューに応じ、新型コロナウイルス感染拡大への中国の対応は同国が2020年の米大統領選で自身を敗北させるために「何でもやる」ことを示していると述べた。
新型コロナへの中国の対応巡り、さまざまな選択肢を検討していることも明らかにし、「私には多くのことができる」と述べた。
米国内で少なくとも6万人(ロイター集計)が死亡している世界的な新型コロナ流行を巡り、トランプ大統領は中国への非難を強めている。大統領は米国内における初期対応の不備について批判を受けることもある。
大統領は、中国が新型コロナについてより積極的により早く世界に知らせるべきだったと指摘。中国に対する関税の発動などを検討しているかとの質問には具体的に回答せず、「私にできることは多くある」、「何が起きたか調べている」と述べた。
今年の大統領選については「中国はこのレースで私を敗北させるためにできることをするだろう」と指摘。貿易などを巡り自身が中国に課している圧力を和らげるため民主党の大統領候補指名獲得がほぼ確実となっているバイデン前副大統領を勝たせたいと中国は考えている、との見方を示した。
トランプ大統領は中国の当局者について、「彼らは自らが無実だと見せかけようとするため常に宣伝活動を用いている」と述べた。
トランプ氏の発言について、中国外務省の耿爽報道官は定例記者会見で、中国は米大統領選に介入する意向はないと表明。11月3日に実施される大統領選は米国の国内的なイベントであり、中国政府は米国が中国を引きずり込まないようにすることを望んでいると述べた。
米国の対中貿易赤字を削減するために中国の習近平国家主席との間でまとめた通商合意については、新型コロナによる経済への影響で「とてもひどく狂わされた」とした。
トランプ政権高官が29日に明らかにしたところによると、3月下旬の米中首脳電話会談で基本合意した、言葉の応酬の非公式な「停戦」は終わったもようだ。このところ、米中間では新型コロナウイルスの起源やウイルスへの対応を巡り非難の応酬が強まっている。
ただ、トランプ大統領やその周辺は中国への批判を強めているものの、大統領が繰り返し「友人」と呼び掛けている習主席への直接的な批判は避けている。
「韓国は多額の支払いに合意」
トランプ大統領はまた、韓国が防衛協力で米国への支払いを増やすことに合意したと明かしたものの、金額は示さなかった。
大統領は「われわれは合意できる。彼ら(韓国)は合意したがっている」と説明。「彼らは多額の支払いに合意した。彼らは私がここに来た時(2017年1月の大統領就任時)よりも多くのお金を出す」と述べた。
一部知事のコロナ対応に満足せず
米経済については、新型コロナの流行が起きる前は「好調だった。歴史上最も素晴らしい経済だった」と述べた。
国内の新型コロナ対応を巡っては、多くの知事のやり方に満足しているとしつつ、一部の知事については改善が必要だと指摘。具体的な知事名は挙げなかった。
ワクチン開発の加速を目指している大統領は「非常にうまく物事が進んでいると思う」と述べた。
30分にわたったインタビューの最後には米海軍が新たに公表した未確認飛行物体(UFO)とされる画像にも言及。「本当かどうか不思議に思った」、「とんでもないビデオだ」と語った。
*内容を追加しました。

【関連記事】
・政府、緊急事態宣言を全国一律1カ月程度延長へ 明日の専門家会議で判断
・東京都、新型コロナウイルス新規感染46人確認 都内合計4152人に
・ロシアの新型コロナウイルス感染者10万人突破 中国イランを超える
・韓国そして中国でも「再陽性」増加 新型コロナウイルス、SARSにない未知の特性

アマゾンに飛びます
2020年5月5日/12日号(4月28日発売)は「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集。パックン、ロバート キャンベル、アレックス・カー、リチャード・クー、フローラン・ダバディら14人の外国人識者が示す、コロナ禍で見えてきた日本の長所と短所、進むべき道。